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女性疾病特約って何? 必要性やメリット・デメリットを紹介

医療保険

この記事を書いた人

鷹尾 和哉(ファイナンシャルプランナー)

2000年大学卒業後、大手システム開発会社に入社しインターネットバンキングなどの開発に従事。自身のライフプランを立てたことがきっかけでFPの資格を取得、その後外資系保険会社に転職し、約300世帯のライフプランを任される。よりお客様に寄り添った提案がしたいと2012年に現職へ。家計や保険の見直し、相続、資産運用などの個人相談業務を数多く行っており、個別の資金計画がとてもわかりやすいと好評を得ている。
■保持資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士AFP資格トータル・ライフ・コンサルタント
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医療保険には様々な特約がありますが、女性だけが加入出来る特約として「女性疾病特約」があります。

保障内容はどんなものなのか、メリットやデメリットを見ていきましょう。

女性疾病特約とは一体?

そもそも女性疾病特約とはどういったものなのでしょうか?

「女性のための」「女性にやさしい」・・・などといったキャッチコピーが付いている保険は、大抵この特約が付いています。ちなみに、男性疾病特約というものはありません。

女性疾病特約の特徴

保険会社によって内容が多少異なりますが、基本的には女性特有の病気や、女性の発症率が高い病気が給付対象となります。

具体的には、女性特有の臓器である子宮や乳房における疾患(子宮筋腫や子宮内膜症、乳がんなど)や、月経やホルモンバランスの乱れによって起こりやすくなる骨粗鬆症や、甲状腺機能低下症・機能亢進症といった疾患などが挙げられます。

また、切迫早産や帝王切開といった、妊娠・出産時における入院や手術も給付対象となります。

女性疾病特約はあったほうが良いの?

女性疾病特約を付けておかないと、上記のような病気の際に給付金を受け取ることが出来ない!・・・と勘違いされる方もおられるかもしれません。

しかし大抵の医療保険の主契約は、病気やケガの種類によらず給付対象となるため、女性疾病特約を付けていなくても給付対象となるのでご安心ください。

では、女性疾病特約は付けなくても良いのでしょうか?

昨今の女性のライフスタイルは、昔と比べると結婚や出産が遅く、出産数が少なくなっています。

ここで増えているのが、月経回数が多く、かつ出産数や授乳期間が少ないほど発症しやすいとされている、子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣嚢腫、乳がんといった疾患です。

いざ妊娠したいときになって初めて判り、手術や治療をしながら不妊治療を受け、40代でようやく授かるといったケースが増えています。
(出典 厚生労働科学研究費補助金を受けた研究班運営 女性の健康推進室 ヘルスケアラボ:http://w-health.jp/

こうしたことから、女性疾病特約の給付対象となるケースが増えていると言えるでしょう。

先に述べたように、付けておかないと受け取れないというわけではありませんが、ご心配な場合は付けておきましょう。

女性疾病特約のメリット

具体的な保障内容はどのようなものなのか、女性疾病特約のメリットとデメリットをそれぞれ見ていきましょう。
まずはメリットから。

給付金が上乗せされる

主契約の保障に上乗せして給付金を受け取ることが出来ます。具体的には入院日額の上乗せや、手術給付金の上乗せなどがあります。

また、保険会社によっては、乳がんに罹患して切除した場合の乳房再建給付金や、顔面損傷給付金など、大切にしたい箇所の治療に特化した保障もあります。

妊娠や出産のリスクにも対応できる

妊娠・出産は病気ではないため、定期健診や出産費用は健康保険適用とはならず、全額自己負担となります。

しかし流産や切迫早産、帝王切開、吸引分娩などの場合には健康保険適用となり、医療保険および女性疾病特約での給付対象となります。

母体や赤ちゃんにとって大変な状況となりますが、こうしたリスクにも備えることが出来ます。

女性疾病特約のデメリット

次にデメリットを挙げてみます。

保険料が高くなる

主契約となる医療保険に特約を付加するため、単純に保険料が高くなることがデメリットとして挙げられます。

保険会社によりますが、主契約の医療保険の日額と同額を上乗せする場合、おおよそ3割~4割ほど保険料がアップします。

まとめ

内閣府の調査によると、家事・育児の分担割合は「夫1割、妻9割」という回答が31.6%で最も多く、次いで「夫2割、妻8割」が24.0%となっています。

夫はまったく家事・育児の分担をしないという「夫0割、妻10割」も9.6%となっており、妻が担う家庭の役割は非常に大きいと言えます。

ライフステージ別にみると、「夫0割、妻10割」という回答者は既婚・子ども無しの場合は16.4%、長子が未就学の場合は6.0%、長子が小学生以上の場合は15.3%となっており、子どもが小さい頃は夫も手伝うものの、やはり妻の分担割合が高い状態が長く続くことになります。

また、共働き状況別のデータでも、夫婦とも正規従業員であっても「夫0割、妻10割」の回答者が5.9%となっています。
(平成21年度インターネット等による少子化施策の点検・評価のための利用者意向調査 最終報告書:https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/research/cyousa21/net_riyousha/html/2_4_4.html

ワークライフバランスや、夫の家事・育児への参画が叫ばれて久しいですが、この調査から約10年経った今でも状況はそう変わりないと推察されます。

こうした状況を考慮すると、女性が体調を崩して入院・手術となった場合には、単純な医療費の問題だけではなく、家事・育児にかかる出費も想定した準備が必要になるでしょう。

預貯金が潤沢にあったり、両親や兄弟姉妹などの親族が近くにいたりすれば緊急事態を乗り越えられるでしょうが、もしそうした状況に無いのであれば、女性疾病特約が心強い味方になるかもしれません。

保険だけを考えるのではなく、家族やパートナーとも意見を交わしながら、ライフプランに合った保障を準備しましょう。

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