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ライフプランニングとは? ライフプランの作り方をプロFPが解説!

ライフプラン

この記事を書いた人

綿引 隆弘(ファイナンシャルプランナー)

1995年大学卒業後、大手住宅販売会社に入社。FP資格を活かすべく2002年外資系金融機関に転職。ライフプラン・相続事業承継・リタイアメントマネジメント等、法人・個人への提案業務に従事。2012年、更なるソリューションを追求するために独立し現在に至る。~Improve your quality of Life~(価値ある人生のお手伝い)を旨として、人生に関わるすべての課題・問題に対し、ファイナンシャル・プランナーとして、また保険マンとして、そしてひとりの人間として、解決方法を見出していく活動をしています。ほけんペディアへの記事掲載については、より多くの方々に保険について詳しく知って頂きたいという気持ちと自分自身が真摯に保険に向き合うことが出来る素敵な時間になっています。
■保持資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士AFP資格トータル・ライフ・コンサルタント
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「ライフプランニング」という言葉を聞いた時、最初にどのようなことを思いつきますでしょうか?

ひとことで表現すると、「生涯の生活設計をたてる」ということになると思います。

生涯のライフイベントには、主に子育てに係る教育費や、お住まいに係る住宅費、そして老後資金が大きなイベント資金になります。その他、自動車関連費用や日々の生活費なども加味したプランニングをしていく必要があります。

「ライフプランニング」を行うことで、こうしたライフイベントを明確にし、将来の計画に見通しを立てることが出来ます。

この記事では、ライフプランの基礎知識を得ることができ、さらには自分自身でライフプランを作成すること(ライフプランニング)が出来るようになるための方法についても併せて解説をしていきたいと思います。

ライフプランとは

「ライフプランとは何でしょうか?」という質問を受けた際には、『「あり方」と「やり方」を明確にすることです。』とお答えしています。

この「あり方」とは、「どのようにありたいか・・・」、つまり、どのような人生を歩みたいか・・・ということ。

そして、「やり方」とは、「どのように進めていくか・・・」、つまり、どのような方法でイベントを実現していくか・・・ということです。

この2つのバランスをプランニングしていくことがライフプランの最も重要な部分だと考えています。

せっかくの人生ですから、悔いのないような生き方(あり方)を追求していくことは、より人生を豊かにしてくれます。

一方、その計画が「絵に描いた餅」であっては、全く意味がないものになってしまいます。

ご自身のもしくはご家族のポテンシャルと「あり方」とのバランスを明確にしていくことで、「自分サイズの豊かな人生」を歩んでいけることになると考えます。

主なライフイベントと平均費用

ここでは、主なライフイベントと平均費用についてまとめています。

主なライフイベント 平均的な費用
結婚費用 約300~400万円前後
出産費用 正常分娩の場合、
約40~50万円程度
住宅関連費用
(住まい購入費用)
約3,000~5,000万円程度
車の買い替え 1台につき、
約200~400万円程度
教育費 子ども1人につき、
約1,000~1,200万円程度
老後生活費 月々約25~35万円程度

上記データは、あくまでも平均的なデータになりますので、あくまでも参考値として捉えて下さい。

人生の3大資金

ここでは、ライフイベントの中でも人生の3大資金について解説をしていきます。

住宅の購入資金

住宅の購入資金については、集計したデータ元によって多少の差異が生じますが、『令和3年度 住宅市場動向調査報告書 (国土交通省 住宅局)』によると、注文住宅(土地購入)の平均購入金額は5,112万円、注文住宅(建替)は、平均3,299万円。続いて、分譲戸建の平均購入金額は4,250万円、分譲マンション4,929万円と言われています。

また、中古戸建では平均2,959万円、中古マンションは平均2,990万円程度になるようです。

その他、参考値としてリフォーム資金の平均は、201万円となっています。

なお、住宅ローン等の借入と自己資金割合について補足したグラフを下記に掲載致しますのでご参照下さい。

■『令和3年度 住宅市場動向調査報告書 (国土交通省 住宅局)』より筆者作成
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001477550.pdf

家の購入費用はいくら必要? 一戸建、マンションの購入費用を解説! 家の購入費用はいくら必要? 一戸建、マンションの購入費用を解説! 住宅の購入理由は様々かと思いますが、いずれにしても人生で一番金額の高い買い物と言えるでしょう。この記事では、住宅購入を検討している人に向けて、物件タイプ別に購入費用とその内訳を解説しています。

子どもの教育費

子どもの教育費については、一般的には、子ども1人に対し、約1,000~1,200万円程度と言われていますが、両親の教育への考え方や子どもの進路によって異なります。

学校外教育費や、下宿代・仕送り代等が必要になるケースもあります。また、お住まいの地域や環境によって教育費支出額は、大きく異なる場合もあります。

ここでは、「文部科学省「平成30年度 子供の学習費調査」」を元に教育費についての参考例をまとめています。

幼稚園 小学校 中学校 高等学校 大学 総額
公立
670,941円
公立
1,927,686円
公立
1,465,191円
公立
1,372,140円
国立
5,370,000円
 
10,805,958円
公立
670,941円
公立
1,927,686円
公立
1,465,191円
公立
1,372,140円
私立文系
7,035,000円
 
12,470,958円
私立
1,583,748円
私立
9,592,146円
私立
4,219,299円
私立
2,909,733円
私立文系
7,035,000円
 
25,339,926円

参照:文部科学省「平成30年度 子供の学習費調査」」より一部抜粋。
https://www.mext.go.jp/content/20191212-mxt_chousa01-000003123_01.pdf

参照:日本政策金融公庫「令和2年度 教育費負担の実態調査結果」
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kyouikuhi_chousa_k_r02.pdf

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老後資金

社会保障の違いや退職金の有無、住宅ローンの有無等によって、老後資金には世帯ごとの差異が生じる部分ではありますが、『総務省 家計調査年報 2020年』によると、夫婦ともに65歳以上の無職世帯(夫婦のみの世帯)の家計を見ると、実収入から非消費支出(税・社会保険料等)を差し引いた可処分所得は、約22.6万円に対し、消費支出は約22.4万円となっており、ほぼ同額となっています。

夫婦ともに65歳以上の無職世帯(夫婦のみの世帯)の家計状況

■『総務省 家計調査年報 2020年』より筆者作成
https://www.stat.go.jp/data/kakei/2020np/gaikyo/pdf/gk02.pdf

また、生命保険文化センターの調査によると、ゆとりある老後生活費の平均は36.1万円というデータもあります。これは、老後の最低生活費に加えて、老後のゆとりのための上乗せ額を算出したものになります。

参照:(公財)生命保険文化センター「令和元年度 生活保障に関する調査」
https://www.jili.or.jp/files/research/chousa/pdf/r1/2019honshi_all.pdf

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ライフプランニングとは

ライフプランニングとは、実際にライフプランを作成していくことを言います。ここではその手順やサンプルなどをご紹介させて頂きます。ライフプランを作成するメリットは、以下のとおりです。

  1. 将来のお金の流れがわかる。
  2. ライフイベントを明確にすることで、目標設定がしやすい。
  3. 家族との会話が増える。(ライフプランニングは、家族全員の共同作業)

まずは、ご自身で作成してみる事から始めてみるのも良いと思います。

ライフプランの作り方

ライフプランを作る上で重要になってくるのが、以下の流れになります。下記の図式をイメージしながら作成してみましょう。

  1. ライフイベント
    ライフイベントの明確化。
  2. 分析
    ライフイベントの優先順位を立てる。
  3. 分析
    家族の年齢やライフイベントのタイミングについて確認する。(住宅の購入時期や車の買い替え時期など)
  4. 分析
    収支バランスの確認 → ライフイベントの予算の把握と手取収入(可処分所得)を確認する。
  5. アクションプラン
    作成したライフプランを実践してみる。
  6. メンテナンス
    実践してみて、修正が必要な部分があれば随時メンテナンス。

ライフイベント表サンプル

【サンプル】30代前半のご夫妻のプランを想定して・・・。

上記のように、今後のライフイベントについて三大ライフイベントを中心に検討していきましょう。

インターネット上で無料ライフプランソフト等を利用できるサイトもありますので、ご自身が使いやすいサイトを利用されると良いと思います。

キャッシュフロー表サンプル

上記のサンプルを元にキャッシュフローを作成してみましょう。
下記のように簡易的に作成することが可能ですので、ぜひチャレンジしてみて下さい。

エクセルシート等を活用することで、収支の自動計算や、グラフ化なども簡単にできますので、ご自身でアレンジしてみて下さい。

西暦 2022 2023 2024 2025 2026 2027 2028 2029 2030
世帯主 33 34 35 36 37 38 39 40 41
配偶者 32 33 34 35 36 37 38 39 40
2 3 4 5 6 7 8 9 10
収入
世帯主 480 484 489 499 504 509 514 519 524
配偶者 250 250 250 250 250 250 250 250 250
合計 730 734 739 749 754 759 764 769 774
支出
生活費 300 300 300 300 300 300 300 300 300
教育費 84 74 74 74 66 66 66 66 66
住宅 96 96 96 769 169 169 169 169 169
旅行 15 15 15 15 15 15 15 30 15
耐久財 300 150
合計 495 485 785 1158 550 550 550 565 700
残高 535 784 738 329 533 742 956 1160 1234

※当初、預貯金残高300万円にて試算しています。

ここでは、行数の関係もあり、ライフイベントについては大まかな項目のみを入力しています。

学校外教育費なども含めた細かなライフイベントを入力していくことでより現実的なキャッシュフローが出来上がります。

まとめ

ここまで、ライフプランの基礎知識とライフプランニングの考え方についてご紹介させて頂きました。

ライフプランは、まさに「家族の事業計画」です。

毎年の収支バランスをしっかりと計画的に確認していくことは、より安定的で豊かな生活を営むことが可能になるでしょう。

また、収支バランスの確認と同時に、資産形成などにも意識をもって頂くことも、今後のライフプランにとって有効になっていくものと考えます。

ぜひ、ご家族で今後のライフイベントについて家族会議を開いてみて下さい。
きっと、『楽しい未来の第一歩』となることでしょう。

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