皆さん、「お宝保険」って聞かれたことありますか?
決して商品名ではありません。誰がつけたかお宝保険。
お・た・か・らだけに悪いイメージを持たれる方は少ないと思うのですが、自分が加入してる保険がお宝保険って言われると、『この保険お宝なんやぁ~』ってなんだか嬉しくなりませんか(笑)
今回は、そんなお宝保険についてお話していきます。
お宝保険とは
まず『お宝保険ってなんやねん』って話ですが、実は明確な定義はないんですね。
一般的には、バブル崩壊前の景気が良かった時つまり保険の予定利率が高い時に契約した保険のことを言います。
保険商品は、原則としてご加入時の予定利率(次に説明しますね)が保険終了時まで継続する固定金利の為、今のこの超低金利時代においてもバブル時に加入した高金利で運用されているんです。
予定利率が高いと保険料が安くなるため、同じ条件の保険契約を今と比較すると非常に安い、めっちゃ増える、しかもそんなに良いなら今から是非とも入りたい、でも決して入ることはできない。
だから「お宝保険」なんです。
そもそも予定利率とは
ではまず先程から出てきてる予定利率の説明をさせて頂きますね。
生命保険会社は、生命保険の契約者から集めた生命保険料を積み立てておき、将来保険金(死亡保険金や満期保険金など)を支払うために備えています。
このお金を「責任準備金」といいます。ただ積み立てているわけではなく、責任準備金を運用することで契約者に有利になるように増やしています。
「予定利率」とは生命保険の契約者に約束するその運用の利回りのことです。
運用は株式、債券、不動産などさまざまな方法で行われています。
その運用によって得られる収益を予定してあらかじめ一定の利率で保険料を割り引きます。
結果として、
予定利率が高い→保険料は安くなる。(収益高見込)
予定利率が低い→保険料は高くなる。(収益低見込)
ということになります。ご理解頂けましたでしょうか。
お宝保険の見分け方
ではお宝保険とは、具体的にどんな保険でしょう。
保険種類
お宝保険の種類ですが、やはり貯蓄性のある保険が多いでしょう。
もちろん、保障内容そのものが今では無い商品もそう言えますが、今回の場合、特に貯蓄性のあるお宝保険に注目しましょう。
終身保険(一生涯保障のある保険)、養老保険(満期のある保険)、年金保険などになります。皆さんご加入ありますか。
予定利率
予定利率の説明は、先ほど述べさせて頂いた通りです。が、この予定利率は、いつ保険にご加入されたかで変わりますので高い予定利率で加入したかどうかがお宝保険かどうかのポイントになります。
では各生命保険会社が決める一般的な予定利率の変遷をみていきましょう。
①1985.4~90.3 | 5.5% |
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②1990.4~93.3 | 5.5% |
③1993.4~94.3 | 4.75% |
④1994.4~96.3 | 3.75% |
⑤1996.4~99.3 | 2.75% |
⑥1999.4~2001.3 | 2% |
⑦2001.4~2013.3 | 1.5% |
⑧2013.4~2017.3 | 1% |
⑨2017.4~現在 | 0.25% |
注)予定利率を公表していない保険会社もあります。また、商品によって異なる場合があります。上記は、あくまでも一般的な予定利率となります。
今は、なんと0.25%なんです。今までで最低の予定利率なんです。
一般的に④96.3までの3.75%の予定利率のものまでを「お宝保険」と呼ぶことが多いようです。
払い込んだ金額より増えるのが当たり前で2倍近く増えるものもあった良い時の商品になります。該当する商品に加入があった方はラッキーですね。
お宝保険の解約・転換・下取りは慎重に
お宝保険にご加入の方は、少なくとも20年ほどご加入より経過しているかと思います。
20年も経てば加入当時と家庭環境も大きく変わっており保険の見直しを考える方も多いのではないでしょうか。
ただここは、二度と入れないお宝保険です。そう簡単に解約・見直しなどをしてはいけません。
しかし、私たちにとってはお宝保険でも保険会社からみればこのお宝保険は、いわゆる『逆ザヤ』つまり契約が続くほど負を生み出す商品です。
なんせ今の予定利率0.25%という運用の厳しいこの時代に4%、5%で運用しないといけないのですから。
お客様がこのようなお宝保険にご加入されており、見直しを提案されて私にセカンドオピニオンを求められた際は、本当に見直しが必要か、また提案された方法しかないのかを、慎重に検討するようアドバイスしています。
まとめ
今回お宝保険についてお話をさせて頂きました。
どんな保険でもそうですが見直しや新しく保険加入を考える際には必ず今ご加入の保障内容をしっかりと確認するようにしてください。
予定利率が高いお宝保険だけでなくご加入された年齢によっては非常に安い保険料であったり、また保障内容そのものが今では無いものなどもあります。
ご自身で判断出来ない時は、保険に詳しいファイナンシャルプランナーに相談することをお勧めします。
執筆者
吉本 忠男(ファイナンシャルプランナー)

■保持資格:トータル・ライフ・コンサルタント