生命保険も他の商品と同様年々進化しており、10年ほど前では珍しかった機能や特約も今では一般的になってきたことも多々あります。
その中で7大疾病の保険特約も最近では多く見られるようになりました。そこで、ここでは7大疾病の保険特約は必要なのかについて紹介します。
そもそも7大疾病って何?
保険会社によって七疾病や七大生活習慣病などと呼び方が変わりますが、7大疾病とは一般的に下記の病気を指します。
- ガン(悪性新生物・上皮内新生物)
- 心疾患
- 脳血管疾患
- 高血圧性疾患
- 糖尿病
- 肝疾患
- 腎疾患
このうち1.2.3は3大疾病(もしくは特定疾病)と呼ばれるもので、皆さんもお聞きになったことがあるのではないかと思います。
この3大疾病に4.5.6.7を加えたものを特に重篤になりやすい病気としてグループ分けしたものが、いわゆる7大疾病になります。
7大疾病の中でも3大疾病は日本人の死因の上位を占めており、入院日数も長くなりがちです。
また生活習慣病全体でみても、高血圧性疾患の平均在院日数は47.6日・糖尿病では30.6日となっています。
参照:厚生労働省「令和2年(2020)患者調査の概況 退院患者の平均在院日数等」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/20/index.html
7大疾病の保険特約とは?
それでは、7大疾病に関する保険特約の内容とは具体的にいったいどのようなものでしょうか。
特徴を説明していきます。
7大疾病の保険特約の特徴
この保険特約は主に医療保険に設定されています。
医療保険に加入する際には
- 病気・けがで入院した時の入院給付金日額の設定
- その入院給付金日額を基にした手術給付金の倍率設定
上記の2点が基本になりますが、入院日数が長期化した場合に備え医療費の負担を抑える保障内容になっています。
保障内容は保険会社によって異なりますが、主な特徴としては次の通りです。
保障内容はどんなもの?
入院日数無制限型
現在の医療保険では、病気やけがの治療の為入院した場合には保障の日数制限が設けられていることがほとんどです。
保障内容によって異なりますが、60日型・120日型・360日型などが一般的です。一般的に長期入院となりがちな7大疾病の治療の為入院した場合にその制限をなくす機能を設定したものがこの入院無制限タイプになります。
入院日額追加型
こちらは、7大疾病で入院した時に入院給付金日額が追加で給付される特約になります。
入院日数が長期化した結果、仕事を休職しなければならないときに所得補償の役割を持たせたものです。
基本で設定した入院給付金日額を上限に追加できる場合がほとんどです。
7大疾病の保険特約が出てきた背景と3大疾病の保険特約との違い
7大疾病特約が出てくるまでは、3大疾病特約が主流でした。
上のコメントの部分でもお話ししましたが、3大疾病は日本人の死因の上位を占めています。
したがって、これまでは3大疾病についての保障を手厚くしてきましたが、その他の生活習慣病に関しても入院日数の長期化や医療費が増加してきた結果、7大疾病特約を各社販売するようになりました。
さらに、以前の3大疾病特約ではがん・心筋梗塞・脳卒中が適用範囲でしたが、最近ではがん・心疾患・脳血管疾患と保障の対象範囲を拡大している保険会社も増えてきています。
3大疾病特約と7大疾病特約との違いは、がん・心疾患(心筋梗塞)・脳血管疾患(脳卒中)をカバーするか、加えて高血圧性疾患・糖尿病・肝疾患・腎疾患までをカバーするのかになります。
7大疾病の保険特約はつけるべき?
7大疾病特約が販売され始めたころと比べれば現在は保険料も下がってきており、以前の医療保険と比べてもあまり差がないケースもよく見られますし、若くて健康なうちに加入すれば保険料も低く抑えられますので付加するメリットは大きいでしょう。
いまでは多くの方が3大疾病特約を付けられていますが、保険会社によっては同じ心疾患でも高血圧性心疾患の場合には保障の範囲外というところもありますので、7大疾病特約を付けた方がより安心です。
したがって付けた方が良いということが言えると思いますが、3大疾病特約より保険料は高くなります。
まとめ
病気に対する備えは健康な時にはあまり考えられませんが、年齢を重ねるごとに必要な時がくる場合がほとんどです。若くて健康であれば保障について考えるのは良いタイミングと言えます。
ただ当たり前のことですが、保険であらゆるリスクに備えようとすればその分保険料は高くなります。
7大疾病特約付きの医療保険に限らず、やはり保険は保障内容と保険料のバランスをよく考えて加入する必要がありますので、信頼できるファイナンシャルプランナーに是非ご相談してみてください。