まわりが生命保険に加入したらしい。自分もいつかは入ったほうがいいような気がする。でも、若いうちは生命保険はいらないとも聞くし、ついつい後回しに、なんて人も多いのではないでしょうか?
生命保険にはいつから入っておけばいいのでしょうか。基本的に、保険は年齢が高くなるほど保険料も高くなりますから、先延ばしにするのは良くないような気もします。
そこで今回は、最適な加入時期についてのお話です。
生命保険の加入率
生命保険文化センターの平成28年度「生活保障に関する調査」によると、生命保険に加入している人は男女とも多く、男性では80.6%、女性では81.3%となっています。前回(平成25年度)の調査より男性は0.3ポイント、女性は0.6ポイント減少しています。
年代別にみると、20歳代が約56%、30歳代で約83%、40代で約88%、50歳代で約88%、60歳代で約83%、と若年層ほど加入率が低い傾向がみられます。
とはいえ加入率はあくまでも目安のひとつ。加入していればとりあえず大丈夫だと考えるのではなく、ライフプランなどから必要な保険を算出し、他のイベントとの割合を見ながら生命保険を検討していきましょう。
若いうちに加入した方がいい?
では、若い内に加入するメリットはどこにあるのでしょうか。そのメリットを3つ紹介します。
①精神的な安心感がある
今日は元気でも、明日も同じく元気でいられる保証はどこにもありません。病気や事故などで急に入院や手術になってしまった場合、金銭に関係する心配は多く出てきます。
保険にしっかり加入していた場合、万が一や働けない間の生活の保障をしてくれるのです。この安心は自分だけでなく、親や周囲を安心させることにも繋がります。
②場合によって月々の支払いが安くなる
多くの保険種類の場合、若いうちから加入したほうが、月々の保険料が安くなることが一般的です。安くて同じ保障があるのならその方がお得だといえるでしょう。
③健康状況によっては加入出来ないことがある
自分は元気だから保険なんて必要ない、と思っていませんか? 元気な今だからこそ備えなくてはいけません。大きな病気やケガをしてしまった場合、その後の保険加入の選択肢の幅が狭くなります。
誰しも年齢を重ねると健康状況は徐々に悪くなっていくことが予想されます。あなたは今より10年後の健康状況の方が自信はありますか?
もっと自分に合った保険があったのに、健康状況が悪いばっかりに加入出来なくなってしまうのは、なんだか残念ですね。元気なうちに、自分に合った保険を選びましょう。
生命保険の加入のきっかけ
生命保険文化センターの平成28年度「生活保障に関する調査」によると、直近(平成28年)加入のきっかけは、「家族や友人などにすすめられて」が23.2%と最も高く、次いで「営業職員や窓口ですすめられて」(19.1%)、「元々生命保険に加入する必要性を感じていたので」、「結婚をしたので」(いずれも14.7%)となっています。このほか、「就職をしたので」(13.8%)、「子どもが誕生したので」(9.0%)などのライフステージの変化に合わせた加入がそれぞれ10%程度みられます。
前回(平成25年)と比較すると、「家族や友人などにすすめられて」、「就職をしたので」はそれぞれ2.3ポイント増加し、「元々生命保険に加入する必要性を感じていたので」は3.1 ポイント減少しています。
合わせて、加入チャネルについてみると、「営業職員」が47.1%と約5割を占めて最も高く、次いで「保険代理店の窓口や営業職員」(9.9%)、「郵便局の窓口や郵便局員」(8.5%)と続いています。
万が一のときのために生命保険をと考える世代は、子育て世代やシニアが主体ですが、仕事をスタートして間もない20歳代も、将来の年金不安や仕事を失うことに対する恐れが大きいのではないでしょうか。保険を活用し、保障と同時に貯蓄のメリットも考えることで対策を講じていることがうかがえます。
しかしこうした結果とは裏腹に、加入している生命保険の保障内容を理解している人は、全員が全員とは言い難いのが実状です。多くの人が保険に加入すれば、取り敢えず安心、という状況なのではないでしょうか?
保険に加入すると、各種の書類が送られてきますが、残念ながら丁寧に見直す人は少ないのではないでしょうか。中には引き出しの中にしまったままという人や、どんなケースで保険金が支払われるか、まったくわからないという人もいるのではないでしょうか。保険料を支払う対価として享受する保障です。メリットとデメリットを改めて確認したいところですね。
生命保険の加入目的
生命保険には保障機能・積立機能・節税効果などさまざまな機能がありますが、一般的にどういった目的で加入しているのでしょうか。
続けて、生命保険文化センターの平成28年度版「生活保障に関する調査」をみてみます。直近加入契約の加入目的は、「ケガや病気になった際の医療費のため」が51.2%と最も多く、次いで「万一死亡した時のため」25.1%となっています。
たとえば20代や30代などのように、小さな子供を養っている事が多い年代では、自身の医療費の不安よりも、万一の際の遺族の生活保障を重点的に考えていると考えられます。しかし50代や60代ともなると、子育ても終わっている事から、万一の際に残される遺族の事よりも、自身の健康への不安が大きくなっており、医療費や入院などへの備えを重点的に考えるといった傾向へと変わっていきます。
もちろん、すべての加入者がそうであるとは言い切れません。20代や30代でも入院や医療費への備えを十分にしておきたいと考える人もいますし、50代や60代であっても、残される遺族の生活保障を重点的に考える人もいます。また、医療費や入院費への備えを十分にと考えての生命保険加入であっても、万一の際の葬式代くらいは用意したい…という人も多いのが現状ではないでしょうか。
まとめ
以上のことから、保険にはできるだけ早いうちに入っておいたほうが良いといえるでしょう。
保険は、晴れている日に雨が降って困らないように傘を買うようなものです。
ただし、生命保険は基本的に、お金を残してあげたい遺族がいない限り必要性は低いです。まだ独身でそもそも死亡保障の必要性が薄いなどと考えるのであれば、無理して入ることはありません。あくまで必要になったとき、そしていつ入るかといえば「できるだけ早く」ということです。
逆に、そうした対象がいる、またできたというライフステージにいるなら、そのとき自分が何歳であろうと、それがあなたにとっての最適な加入時期です。