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団体定期保険について知ろう

生命保険

この記事を書いた人

清水 要(ファイナンシャルプランナー)

サーフィンに明け暮れ外房と湘南に入浸り、先の事など考えない、いい加減な学生時代。卒業後は、仲間の影響で広告代理店に就職、その後外資系金融機関へ、全国転勤しながら「本気の仕事」を知る。 そして、当時日本立ち上げ草創期の外資系保険会社へ転職。札幌から福岡まで(人の羨むエリア)にて現場組織の立ち上げに従事。仕事もプライベートも充実した日々。近年、金融セミナー等を開催する講師育成に携わり、講師とクライアントの「信頼関係や繋がり」に思いが強くなり、自身も講師およびコンサルティング業務へ。現在は、情報還元も考え色々な面で、情報量の少ない故郷へ戻り、活躍中。自分自身が経験し知っているが故に「早いうちに将来の事を考える重要性」「将来の資金準備の重要性」を説いている。あの頃の友人達は今も現役のサーファーだ、人生一生青春!
■保持資格:トータル・ライフ・コンサルタント
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会社が契約者となって契約することのできる定期保険、「団体定期保険」をご存じでしょうか? どんなものなのか、確認してみましょう。

団体定期保険とは

団体定期保険、意外と加入されていることを認識されていない方も多いことに実は驚いているのですが、実態は契約者が会社で、会社が保険料を払っているものと従業員の方が任意で保険料を払っている2タイプがある為かもしれません。

基本は会社に勤務されている従業員の方が、在職中に死亡あるいは高度障害になられた場合に保険金が支払われるもので、福利厚生の一環として利用されている保険です。

基本的には1年更新の死亡保障(特約などで入院保障も付けられます。)で、保険金受取人は従業員の遺族となります。また定期保険と名の付く通り終身保障の保険ではありません。

団体定期保険の種類

前述しましたが、会社が契約者として保険料を負担するタイプと従業員個人が任意で保険料を負担するタイプがあります。

前者をAグループ(総合福祉団体定期保険)、後者をBグループ(任意の団体定期保険)と言ったりしますが、Aグループの団体定期保険は原則全員加入となります。

団体定期保険のメリット

この保険の最も大きなメリットは個人で加入する一般の生命保険よりも保険料が割安であることが言えると思います。

また、加入時の告知などの項目も非常に少なく、医師の診査なども不要で加入しやすい点も大きなメリットと言えるでしょう。

その他、1年間の保険期間に収支の結果によりますが、配当金が得られることも大きなメリットです。
形態によっては従業員の家族も被保険者になることが可能です。

また契約者が個人、会社によりそれぞれメリットがありますが、それについては次に記載していきます。

会社側

まずは会社が契約者となるAグループのメリットですが、会社経費で保険料負担をする分、会社にとっては全額損金算入が可能です。その上従業員への福利厚生制度として勤労意識の向上に大きく貢献する制度となります。

更に任意加入団体であるBグループの制度を活用することにより、従業員の方が個人で一般の生命保険へ加入するより、安く保障を得ることができる点、より福利厚生としての厚みが増し、勤労意識の向上につながります。
(働く者の立場として考えて、働く企業を考えた時、このような制度の充実した会社を選択するのは当然の意識ですよね。)

従業員側

従業員側のメリットですが、前述した会社側の部分と重なると思いますが、福利厚生の充実により、家族を守る立場として安心してその会社で勤務ができるという事は大きなメリットです。

Bグループの任意加入の契約の場合、保険料は給与からの天引きとなります。保険料も一般の生命保険に加入するより割安で、家族も被保険者としてその割安な保険料で付保することも可能です。
(給与天引きのため、保険料の未納や失効などの心配もありません。)

また支払った保険料は生命保険料控除の対象となります。

注意すべきこと

多くのメリットのある加入形態なのですが、注意すべき点もあります。
この保険は、会社にその制度があるからといって、何時でも加入できるものではなく、加入時期や脱退時期は原則年に一回、定められた時期のみとなります。

あくまで福利厚生の一環として簡単な告知で、しかも割安な保険料で加入できる保険である為、個々のニーズに細部に対応できるような内容にまでは至らず、この保険ですべてのリスクに対応できるものではありません。

当然この団体定期保険に加入したから万全と言う訳ではなく、お一人お一人が自分の環境や家族構成に合わせて不足分を補うべきチェックは必要です。

またこの制度は一定の条件下で認められる制度であり、就業先の企業がその条件を満たさなくなった場合は、その制度自体が終わってしまうこともあるのでご注意ください。

また定期保険である為一生涯の保障ではなく、会社を退職したときには保障がなくなる事も注意しておくべきポイントです。

加えて一般の生命保険と異なるポイントについて以下に述べておきます。

保険料

まずは保険料ですが、平均保険料率と年齢群団別保険料率といった2種類の保険料算定料率があります。

平均保険料率とはその名の通り加入者全員の保険料率を平均で出す保険料率で、25歳でも50歳でも同じ保険料率を使用します。つまりは若い方は少し割高、年配の方は少し割安といった感じでしょうか。

かたや年齢群団別保険料率は一定の年齢範囲でグルーピングし、その範囲内年齢で保険料率を決めていくやり方です。この方法では年齢が上がる度一定条件で保険料がアップしていきますが、平均保険料率より年齢間でのギャップは少ないでしょう。

ちなみに会社の従業員の平均年齢が若い企業で平均保険料率採用されている場合は、年齢が高い方はかなり割安な保険料で加入できる事になったりしますね。(昔、勤務していた会社の上司に、「若い君らが加入しないと保険料が安くならないから、是非、加入して欲しいよ。」と言われていたのをよく思い出します。)

退職するとき

次に退職時期においてですが、制度によっては定年退職後も加入できる制度もありますが、基本的には就業期間中が加入可能期間です。

したがって他に全く個人加入の保険がなければ、退職後は無保険状態になってしまう恐れもあるので、事前に確認しておくのも検討に値します。

また昨今は、個人のレベルアップ、スキルアップのための転職も、昔と異なり、とても多くみられるようになりましたが、当然途中退職の場合、個人契約に変更して継続出来る場合もありますが、保障が継続出来ない場合もありますので、その点はご注意ください。

まとめ

団体定期保険とは、保障を安い保険料で効率的に確保するといった点ではとても優れた制度です。更に加入における、手間も少なく、簡易な告知で、しかも奥様やお子様の保障も確保できるメリットも備えています。

まずは勤務先にこの制度があるか無いかを確認し、あるならばまずはこの制度を活用していきましょう。

ここでベースの保障を確保し、その上で一般の生命保険の中からご自身の家庭環境に沿って不足分をカバーできるように補っていけば、無駄のない効率的な保険の加入の仕方につながると思います。

もちろんご自身に何が不足なのか、はたまた将来どのようなリスクが潜在するのかをご存知の方も少ないとは思います。

保険料は一回、一回の金額の差が少なくても、長い年月に換算するととても大きな負担になるモノです。可能であるならば見直し含めて、保険をご検討される際は身近なFPまたは保険の相談ができる信頼できる担当者を交えてご検討されることをお勧めいたします。

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