ネット生保のメリットとデメリットは? どんな人に向いている?

生命保険

スマホやパソコンから、インターネット経由で保険の見積もりや加入手続きが可能な保険会社をネット生保と呼びます。

「10秒で簡単お見積もり!」などのキャッチコピーをコマーシャルで見かけた方もおられるのではないでしょうか。

ネット生保とはどんなものなのか、メリット・デメリットを見ていきましょう。

そもそもネット生保って何?

2000年に50.5%だったパソコンの普及率は2013年には80%を超え、インターネット利用者数が右肩上がりに増えていく中、2008年に日本で初めてのインターネット専業の生命保険会社が開業しました。

参照:総務省「令和2年版情報通信白書 インターネットの利用状況」
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r02/html/nd252120.html

それまでにも電話や郵送で通信販売をおこなっている保険会社はありましたが、自社の営業マンを抱えず、インターネットだけで手続きが完結する保険会社が出来たのはこの時が初めてでした。その後、既存の生命保険会社でもインターネット上で保険の見積もりや加入手続きが可能なところが増えてきています。

「平成30年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、インターネットを通じて保険に加入した人は加入者全体の3.3%となっています。

参照:(公財)生命保険文化センター「平成30年度 生命保険に関する全国実態調査」
https://www.jili.or.jp/files/research/zenkokujittai/pdf/30/8QOANJ-h30_zenkoku.pdf

ネット生保に加入するメリット

では、ネット生保に加入するメリットは何でしょうか? 大きく次の3つが挙げられます。

手軽に申し込める

冒頭の「10秒見積もり!」のキャッチコピーに表されるように、スマホやパソコンから年齢や性別、希望の保障目的、保障額などを選択し入力すると、簡単に見積もりが出来るように工夫されています。

また、そのままクレジットカードで決済することで、その場で申し込みが可能です。

対面式よりも保険料が安い

契約者が支払う保険料は、純保険料と付加保険料に分けられます。純保険料とは、保険金や給付金に充てられるものです。

対して付加保険料は保険会社が手数料として受け取るもので、保険会社の運営のために必要な人件費や広告費に充てられます。

ネット生保は自社の営業マンを抱えておらず、また実店舗も無いため、その分付加保険料を少なくすることが出来ており、対面式の保険会社に比べると総じて保険料が安くなっています。

自分のペースで保険を選べる

インターネットが使える環境であれば、場所や時間を問わずに見積もりや申し込みが可能ですので、通勤時間や帰宅後、休みの日など、自分の好きなタイミングで保険を選ぶことが出来ます。

営業マンと会うための時間を割く必要が無く、契約を急かされたりする煩わしさがないのは、最大のメリットとも言えるでしょう。

ネット生保に加入するデメリット

デメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

商品の内容を自分でよく理解しなければならない

もちろん対面式の場合でも約款や設計書などを自分自身でよく読んで理解する必要がありますが、ネット生保では不明な点や解らないことがあった時にその場で説明してくれる営業マンがいないので、自分で調べなければいけません。

商品の種類が限られる

対面式の保険会社では、おおよそ20~30種類のラインナップがありますが、ネット専業の保険会社では10種類前後と商品数が限られています。

特に年金保険や変額保険、学資保険、養老保険など、資産形成のための保険や、一時払いのタイプの保険は令和元年6月現在各社とも取り扱っていません。

ネット生保に向いている人と向いていない人

先に挙げたデメリットが解消でき、普段からインターネットショッピングなど、インターネットでの手続きに抵抗が無い人であれば、ネット生保に向いていると言えるのではないでしょうか。

例えて言うなら、高性能なナビゲーションを持っていて自力で目的地に到着できる人であればネット生保で問題ありませんが、ナビゲーションを持ち合わせておらず、地図の見方が解らない人であれば、対面式でアドバイスを求めながら保険に対する理解を深めて加入する方が良いでしょう。

また、契約者本人だけが理解しているのでは不十分です。実際に万一のことが起こった場合には、保険金・給付金の手続きもインターネットまたは電話で行う必要がありますので、保険金・給付金の受取人や請求人であるご家族にも同様に理解しておいてもらいましょう。

まとめ

保険は「無形」の商品と呼ばれることがあります。家電や車、家などと違って形が無く、毎月保険料を払っているにも関わらずその効果を直接手に取って確認することは滅多に出来ません。

また、死亡保険の場合は、その効果を確認出来たときには被保険者本人はこの世に存在しません・・・。

そのため、保険に加入する場合には単純な保険料の損得だけで判断するのではなく、どういった“想い”を乗せられるかが大切になってきます。

抽象的な“想い”を具体化するには、ライフプランを立てることが有効です。

現状はどのような生活を送っているのか、将来はどうしたいのかをしっかり考えることが、“想い”に繋がっていきますので、まだ作ったことが無い方はぜひ一度お近くのファイナンシャルプランナーに相談してみて下さい。

他にも、社会保障制度や医療事情、金融情勢などによっても保険商品は刻々と変わっていきます。最近はインターネットで簡単に情報が収集出来ますので、ネット生保で加入する・しないに関わらず、勉強していきましょう。

執筆者

鷹尾 和哉(ファイナンシャルプランナー)

2000年大学卒業後、大手システム開発会社に入社しインターネットバンキングなどの開発に従事。自身のライフプランを立てたことがきっかけでFPの資格を取得、その後外資系保険会社に転職し、約300世帯のライフプランを任される。よりお客様に寄り添った提案がしたいと2012年に現職へ。家計や保険の見直し、相続、資産運用などの個人相談業務を数多く行っており、個別の資金計画がとてもわかりやすいと好評を得ている。
■保持資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士AFP資格トータル・ライフ・コンサルタント
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