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大腸ポリープ切除手術で医療保険の給付金はいくらもらえる? 日帰り手術の場合は?

医療保険

この記事を書いた人

平林 陽介CFP®資格

東京都出身。2000年に大学卒業後、専門商社に入社。その後外資系生命保険会社を経て現在。掲載記事においては、自身の経験や顧客に寄り添う姿勢や顧客目線のアドバイスが特徴的。通常の相談業務においても、顧客の将来に渡っての経済的保障と生活の安定を図ることを優先している。質の高いサービスと好評である。幅広い世代での相談を受けており、豊富な経験から相談結果に対する顧客満足度も高い。
■保持資格:CFP®資格宅地建物取引士
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健康診断などで見つかっても経過観察になることもある胃のポリープとは違って、切除することが多い大腸ポリープ。

その大腸ポリープを切除手術した場合、加入している医療保険の給付金は受け取れるのでしょうか?
またその手術が日帰り治療だった場合はどうでしょう?

大腸ポリープとは何なのか、手術した場合の費用はどれくらいなのか、医療保険の給付金はいくらもらえるのか、などを解説していきたいと思います。

そもそも大腸ポリープとは?

大腸ポリープは直腸とS状結腸の大腸の粘膜に発生する隆起状の組織で、大きさは2mm〜2cm以上までと様々です。

ポリープ自体に痛みなどの症状はありませんが、ある程度の大きさになると便潜血検査(大腸がん検診の便検査)で異常を指摘されたり、さらに大きくなれば血便や腹痛、便秘などの症状を自覚することもあります。

ポリープは腫瘍性と非腫瘍性に分けられます。非腫瘍性ポリープはさらに過誤腫性ポリープや過形成性ポリープなどに分けられ、時間とともにその箇所の組織の細胞が増加することによって組織が隆起し、良性のポリープとなります。

一方で大腸ポリープの多くは腫瘍性です。これは「腺腫」であり、この「腺腫」とよばれるタイプのポリープは時間をかけて大きくなると大腸癌へ進展していく可能性があるため、切除治療が必要となります。

大腸ポリープ切除手術にかかる費用

大腸ポリープ切除手術は主に「大腸ポリペクトミー」という術式が一般的です。内視鏡の先端部分に装着した輪状のワイヤーをポリープにかけ、ワイヤーを徐々に締め、電気を流しポリープを焼き切るという治療方法です。

その費用はどのくらいかかるのでしょうか。

日帰り手術の場合

ここでは、大腸ポリープ切除手術を日帰りで受けた場合の費用についてご説明します。

大腸ポリープ切除手術を受けるまでにはまず内視鏡の検査が必要となります。

便潜血検査で陽性と指摘されたり自覚症状があるとまず内視鏡の専門医療機関での①大腸内視鏡検査を勧められます。
その際、大腸ポリープが見当たらない場合は②病理組織検査のために組織の採取となります。
大腸ポリープがあった場合は切除が必要なため③大腸ポリープ切除手術となります。

下表は国立がんセンター中央病院の費用となりますが、ポリープの大きさや数、病院施設等によって費用も異なります。目安としてご覧ください。

項目 費用(10割)
①大腸内視鏡検査 20,000円
②病理組織検査 11,000円
③大腸ポリープ切除手術 33,000円

実際は健康保険適用となるので自己負担額は上記費用の1割~3割となります。

また、その他、初診料・再診料・下剤や麻酔の有無により変動がありますのでご注意ください。

参照:国立がん研究センター中央病院「大腸がんとは」
https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/clinic/colorectal_surgery/140/index.html
同病院「健診費用」
https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/division/cancer_screening/cost/index.html

入院が必要な場合

ここでは、大腸ポリープ切除手術を入院して受けた場合の費用についてご説明します。

内視鏡検査にて大腸ポリープが大きかったり数が多かったりした場合や既往症などがあった場合には入院を勧められるケースもあります。

入院が必要となると日帰り手術の場合より費用が掛かり、同じく国立がんセンター中央病院だとその費用はおおよそ191,800円となります。

こちらも日帰りと同様に健康保険が適用されますので自己負担額は1割~3割となります(部屋代や食事代は別)。

参照:国立がん研究センター中央病院 入院費概算一覧表
https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/d001/nyuin/hospitalfee.pdf

大腸ポリープ切除手術に医療保険は適用される?

大腸ポリープ切除手術は、健康保険にて3割負担の場合でも経済的に大きな負担となりますが、加入している保険会社の医療保険からの給付金は受けられるのでしょうか?

大腸ポリープ切除手術の場合は、ほとんどのケースで民間の医療保険の給付金支払い対象(適用)となります。

加入している医療保険の手術給付金、入院給付金、入院一時金などは手術や入院の有無によって給付対象も変わりますが、大腸ポリープ切除手術は、手術給付金の支払い対象となることがほとんどです。

基本的に日帰り手術となるようですが、既往症などにより薬を飲んでいると数日前から入院することもあります。(例えば、血液がサラサラになる薬などを服薬している人)

そのような場合、入院給付金や入院一時金の給付金も支払対象となります。

手術給付金や入院給付金、入院一時金などの給付額は加入している医療保険の種類や契約した保障内容によって異なりますので確認しましょう。

医療保険の給付金はいくらもらえるのか?

大腸ポリープ切除手術を受けた場合に、加入中の医療保険によって給付される金額は異なります。

ここでは日帰り手術の場合と入院による手術の場合の事例を比べてみましょう。

日帰り手術を受けた場合の事例

医療保険は入院日額に目が行きがちではありますが、手術を受けた場合に支払われる手術給付金もその給付額は入院日額の契約倍率によって決まります。

医療保険の手術給付金は、加入している医療保険の入院日額×手術給付金倍率で支払われることがほとんどです。

その倍率は商品により、一律で設定している場合や手術内容によって異なる倍率で設定している場合もあります。

事例
  • 手術給付金一律20倍の場合(日額10,000円)
    10,000円×20=200,000円
  • 手術給付金、外来手術5倍の場合(日額10,000円)
    10,000円×5=50,000円

となります。

日帰り手術の場合には手術給付金のみの支払いとなり、入院給付金の給付はありません。

入院して手術を受けた場合の事例

日帰りではなく入院して手術を受けた場合には、上述した手術給付金に入院日額が上乗せされて給付されます。

事例

2泊3日の入院と手術の場合(入院日額10,000円、手術倍率20倍の場合)

  • 入院日額10,000円×3日=30,000円
  • 手術給付金10,000円×20倍=200,000円

手術をしても給付金を受け取れないケース

民間の医療保険に加入していても手術給付金を受け取れないケースとして、代表的なものに以下の3つがあります。

  1. 治療を直接の目的としない手術(検査扱いとなっていることがあります)
  2. 手術給付金の支払い対象とならない術式の手術
  3. 加入時に条件付き加入をしている(直腸部位の不担保期間がある等)

いずれも、加入している医療保険の保険会社へ給付金の支払い条件を確認してみましょう。

大腸内視鏡検査に医療保険は適用される?

便潜血検査で陽性と指摘された場合や自覚症状(出血や下痢、腹痛など)があっての大腸内視鏡検査は健康保険の適用となります。

しかし、大腸内視鏡検査や病理組織検査の場合は民間の医療保険の給付金適用とはなりません。

検査のためだけの入院も給付金適用外です。

手術や治療を伴う入院などの場合は手術給付金や入院給付金の支払い対象となりますが、検査のみの場合は支払い対象とならないので注意が必要です。また大腸内視鏡検査だけでなく胃内視鏡検査や人間ドックなども扱いは同じです。

まとめ

今回、大腸ポリープというテーマで解説させていただきましたが、現在、保険会社が販売している医療保険の多くで日帰りでのポリープ切除手術に対して手術給付金の支払い対象となっています。

近年、私のお客様よりご連絡いただく給付金の請求も日帰り手術が増えてきています。

医療保険は契約者からの請求がないと給付金の支払いができません。支払い漏れなどが無いよう保険会社も郵便などで案内はしていますが、もしかしたら「気づかずに請求してなかった!」ということもあるかもしれません。

思い当たる治療をされていた場合は一度、保険会社か自分の保険の担当者に給付金の対象となるか確認してみましょう。

#医療保険見直し #医療保険

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