プロに聞く 医療保険見直しに最適なタイミング

医療保険

テレビCMやネット広告など、生命保険の宣伝を「目にしない日はない!」と言っても過言ではなく、その多くの宣伝は医療保険を紹介する広告です。「新登場」「新商品」などを目にすると、自分の医療保険はどうしたらよいのか?と不安に思う方も多いと思います。ここでは、医療保険の見直しのタイミングについて解説してまいります。

医療保険の見直しをする目的

医療保険の見直しをする最適なタイミングを考える前に、見直しをする目的を考えてみると、やはり一番は、現状の環境に対して“適切な”「保障額」「保険料負担」となっているかを確認することではないでしょうか?

医療保険は定期的な見直しが必要?

生命保険文化センターの調査における「加入契約のきっかけ」というデータをみると、「家族や友人などにすすめられて」が23.9% 「営業職員や窓口ですすめられて」が17.6%と、人からすすめられたから、という理由が41.5%となっております。

参照:(公財)生命保険文化センター「令和元年度 生活保障に関する調査」
https://www.jili.or.jp/files/research/chousa/pdf/r1/2019honshi_all.pdf

このデータからもわかるように、多くの方は、保険に関して「受け身」の方が多いのかもしれません。

もし、今加入している医療保険が人から勧められ、「加入の目的」や「商品の内容」について自分でも曖昧だとしたら、それは、見直しの必要があるかもしれません。

また、「新しい商品だから。」「新発売だから。」というようなセールスをされた場合でも、見直しの必要があるのかないのか、適切に自分で判断出来るようにしておきたいものです。

ニーズの確認

同じく生命保険文化センターの調査での「ケガや病気に対する不安の有無」というデータをみてみますと、実に89.6%が「不安感あり」となっています。内訳は“不安を感じる”と“少し不安を感じる”がそれぞれ3割を超え、“非常に不安を感じる”が2割を超えています。

具体的な不安の内容をみると、「家族に肉体的・精神的負担をかける」が52.3%と最も高く、以下「長期の入院で医療費がかさむ」51.8%「後遺症や障害が残る」46.3%の順となっております。

参照:(公財)生命保険文化センター「令和元年度 生活保障に関する調査」
https://www.jili.or.jp/files/research/chousa/pdf/r1/2019honshi_all.pdf

人により、不安の大きさや不安の種類に違いはあれど、もしあなたにもケガや病気に対する不安があるならば、まずは、万一を想定し、事前対策を考えてみましょう。

もし、医療費など経済的不安があるならば、社会保障制度や健康保険制度について理解し、不足部分について医療保険を活用することが有効的です。逆を言えば、医療保険がなくても経済的不安がないようであれば保険を解約することも適切な見直しといえます。

医療制度や社会の変化

健康保険の自己負担割合が3割(一般)に変更になったのは、平成15年4月からです。現在20代の方々にとっては、3割負担は当たり前、というイメージかもしれませんが、昭和59年から自己負担割合1割、平成9年に2割へ引き上げられております。

昨今の日本の社会情勢、少子高齢化、人口減少、社会保障への財源不足などを鑑みると、将来、自己負担割合の見直しがある事も十分考えられます。

今以上の自己負担額増となっても自身は大丈夫か?現役の今は大丈夫だけれど、リタイア後の収入が途絶えた場合も大丈夫なのか?など、制度改正や社会の変化にも目を向け、医療保険の必要性を考えることも重要です。

見直しに最適なタイミングはいつ?

前述の通り、医療保険のニーズ変化や社会情勢の変化においても、常に適切な医療保険が選択出来ているというのが理想です。しかし、毎日保険のことばかりを考えている人はなかなかいないと思いますので、どのようなタイミングで見直しを検討したら良いのかをここでは解説します。

ライフステージの変化

医療保険に限らず、ライフステージが変化する際には保険全般の見直しをおすすめ致します。なぜなら、環境の変化により必要保障額やニーズが変わるケースが多いからです。

収入の変化

ここでの収入の変化は、ライフステージの変化に近いのかもしれません。時間の経過とともに収入が増えたことで、貯蓄額も増え医療費に対する経済的不安がなくなれば、そこは保障内容を見直すべきタイミングとも言えます。

逆に収入の減少や、教育費の増大で保険料の支払いの継続が困難な場合なども、保険料を安くする見直しが必要です。

収入の変化と言えば、リタイア後もそう、継続して保険料の支払いが可能か、これは加入時にも考えておきたいことです。

保険料の値上がり変化

ここでは、保険の更新で保険料が上がってしまうケースと、保険業界全般において商品の改定等により保険料が上がる、この2パターンについて説明致します。

まずは更新のケース、ライフステージの変化により保険の見直しをされた30代の方から、こんなセリフをよく耳にします。

「この入院保障は20年更新なので、あと10年はこのまま安い保険料で。次の更新の時に考えます。」もちろんそれでも構いませんが、実際更新をむかえ検討した結果、更新はせず他の保険へ加入したくとも健康状態等により加入出来ないこともあります。

ご自身が加入している医療保障が更新型の場合は、更新する際に見直しをすることはもちろん、更新前であっても、このままで良いのか一度じっくり考えましょう。

その時は、適切なアドバイスをしてくれる保険のプロ、特に複数の保険会社の商品を取扱える方に相談しても良いかもしれません。

また、彼らであれば、業界全般において保険料が値上がりする情報などをマメに提供してくれます。「また保険のセールスか・・・」そう思わず、プロからの情報に耳を傾け見直しや、追加加入の必要はないか、立ち止まって考える良い機会となります。

保険見直しのポイントは?

自分のニーズに合った商品を選択出来ていれば、何度も何度も見直しの必要はありませんが、社会情勢の変化にともない医療保険も日々進化しておりますので、「新登場」「新商品」といったキーワードにも目を向けておく必要があるかもしれません。

保険料

各保険会社間の医療保険の販売競争も相まって、旧商品よりも新商品の保険料の方が安くなる、といったケースは良くあります。

年齢の上昇とともに保険料も上がるため、新商品が必ず今より安い保険料になるとは一概には言えませんが、古い医療保険に加入されている方は、最新の医療保険の保険料と比較してみてください。同じ保障内容であれば、安い商品に加入したいと思うのは消費者の心理です。

保障内容

ライフステージの変化により、保障の内容が十分でなくなるケースもあります。

例えば、単身で生活している方が万一入院することになった場合と、小さなお子さんの子育て真っ最中のママが急遽入院することになった場合とでは、家族にかかる負担感にも違いがあるでしょう。

医療費は同じ額だとしても、医療費以外の出費も想定しながら保障を充実されることの検討も必要となります。

特約

ご存知のように、昔に比べて入院日数は短期化しております。このような社会情勢の変化に合わせて短期入院の場合でも10日分の入院日額給付金を受け取れる特約などが発売されております。

特約を付加すればその分保険料は上がりますが、各社工夫を凝らした特約が増えております。社会情勢に合わせた、短期入院、通院、疾病一時金などの特約については、最新の内容をしっかりと知っておきたいものです。

保険見直しの注意点

契約年齢が上がれば保険料も上がる

契約者間の保険料負担を公平にするため、基本的に、年齢が上昇するとともに保険料額はあがります。

例えばですが、20代のころ加入した保険を40代になってから同じ保障で加入しようと思えば、保険料も上がることでしょう。

健康状態によっては保険料を安くできない

保険を見直す理由として、月々の保険料負担の軽減を挙げる方も多くいらっしゃいます。

既存の契約時よりさほど時間が経過しておらず、保障の内容を変更したり保険会社を変更したりし、年齢上昇による保険料のUPの影響がない場合でも、健康上の問題により一般より高い保険料となるケースがあります。特別保険料と言われる上乗せ分の保険料が発生するケースです。

解約するのは新たな保険の審査に通ってからにする

生命保険は一度解約してしまうと元の状態(保障を継続している)に戻すことは出来ません。

ですから、既存の保険を解約して新たな保険に加入する場合は、新たに加入したい保険が確実に引受をしてもらえるのか確認できてから解約するようにしましょう。

がん保険のように、契約から数十日、数か月免責期間があるような保険の場合は、既存の契約の解約はより慎重に確認をしましょう。

まとめ

人から勧められて、なんとなく加入している医療保険だ、内容も良く分かるような・・どうだろう?・・・という方がいれば、それは、すぐにでも見直しをすることをオススメ致します。

そこで、保障の内容や自身のニーズをしっかりと把握し、加入内容に問題がなければ、上述したような変化期に見直しをしてください。

医療保険は、1商品にとどまらず複数の商品を用意している保険会社も多数あります。ですから、可能であれば複数の保険会社の商品を取扱い出来る保険のプロに相談することをおすすめ致します。

執筆者

橘 美穂子(ファイナンシャルプランナー)

1997年大学卒業後、外資系金融機関に新卒入社。契約管理部門から営業部門へ。女性の少ない営業現場で、女性ならではの気配りや丁寧な対応でクライアントから絶大な信頼を得て営業部門初の女性管理職となるも、よりお客様に寄り添ったコンサルティングがしたく2014年に転職し現在。マネーセミナーの講師などもつとめる。
■保持資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士AFP資格
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