持病や既往症など健康に不安があるために、保険加入を諦めている方もいらっしゃるかも知れません。
そのように持病や既往症がある方こそ、しっかりとした医療保険に加入しておきたいと思いますよね。
実は、持病や既往症があっても加入できる限定告知型医療保険等の医療保険が多く販売されております。
将来の入院リスク等、不安をお持ちの方も多いかと思いますので、この機会に加入を検討される一助となれば幸いです。
限定告知型医療保険とは
健康に不安のある方でも、告知項目を限定することで加入をしやすくした医療保険になります。
告知項目や引受基準は、保険会社によって異なりますが、告知書の告知項目はおよそ3~6項目程度で、質問項目に対し、すべて「いいえ」なら加入が出来る保険になります。
尚、留意点として、限定告知や引受緩和型とは言え、現在の持病や症状によっては告知項目に該当するケースもあります。
各社によって、告知を求められる内容や傷病名等の告知項目に多少の差異がありますので、複数社の保険商品を検討し告知項目を確認した上で加入されることをおススメします。
限定告知型医療保険の特徴
契約日から、1年間は保障が50%削減されるタイプの保険から、契約1年目から全額保障されるタイプがあります。
通常の医療保険に比べ、一般的に多少付帯できる特約も限定されることになりますが、入院や手術等については通常の医療保険と遜色ない保障を持つことが出来ます。
保険種類によって、骨折一時金や入院一時金等の特約を付帯できるタイプも販売されており、以前に比べて保障内容も充実してきております。
尚、支払保険料については、通常の医療保険より割高になりますので、保険料の支払いとのバランスも検討する必要があります。
持病があっても入りやすい医療保険の種類
ここでは、持病があっても入りやすい医療保険の種類について解説させて頂きます。
引受基準緩和型
多くの医療保険は、「告知書」にて健康状態を告知することで加入の可否を決定しますが、「引受基準緩和型」は、言葉の通り、加入の引受基準を緩和して健康に不安がある方でも加入しやすい商品を提供しています。
ただし、一般の医療保険に比べ、保険料は割高となります。
また、一般的に手術給付倍率や、付帯できる特約等が限定されている商品になります。
限定告知型
上述の引受基準緩和型と同様に健康不安のある方が加入しやすいよう告知項目を「限定」し、その告知項目に該当しない場合には、加入が出来る保険を言います。
尚、「引受基準緩和型」・「限定告知型」は、保険会社によって表記が異なるケースはありますが、基本的には同じ意味合いで使用されており、保障内容も同等の医療保険となります。
無選択型
健康上の理由で、保険加入が出来なかった方でも、医師の診査や告知書による告知をせずに加入できる商品となります。
現状の健康状態に関係なく加入できる一方、一般の保険(引受基準緩和型や限定告知型含め)に比べ保険料が割高になります。
また、保険種類にもよりますが、保険加入から一定期間は免責期間が設定されている場合や、治療中の傷病や保障開始前に発病した病気を原因とした入院・手術は保障の対象外となる等の条件が付保されることもあります。
その他、重複契約がある場合や、他に同種の契約が多くある場合、危険な職業に従事している場合なども、加入が出来ないケースがあります。
保険加入の際、まずは一般の医療保険(特別条件付保することで加入できる場合もあります。)や、引受基準緩和型・限定告知型商品も数多く販売されており、選択肢も豊富ですので、一足飛びに無選択型に加入することなく、検討をして頂きたいと考えます。
限定告知型医療保険に加入するメリット
ここでは、限定告知型医療保険に加入するメリットについて解説をしていきます。
再発や悪化の場合でも給付金を受け取れる場合がある
限定告知型医療保険の告知項目に該当しない病気や症状については、再発や悪化の場合でも給付金が受け取れる場合があります。
入院や手術歴の期間が緩和される
限定告知型医療保険の入院や手術歴の期間についての告知項目は、一般的な医療保険の告知項目よりも、緩和されていることが多いのもメリットのひとつです。
一例として、一般的な医療保険では、過去5年以内の入院や手術歴の告知が必要なところ、限定告知型医療保険の場合は、一部の疾患を除いて「過去2年以内」の告知をすることになります。
詳しくは、各保険会社の告知項目を確認する必要がありますので、ご留意下さい。
限定告知型医療保険に加入する場合の注意点
持病や既往症があったとしても、一足飛びに限定告知型医療保険を検討するのではなく、一般の医療保険の検討から始められることが大切です。
上述もしました通り、告知内容によっては無条件で加入できる場合や、特別条件を付保される可能性はありますが、割安な保険料で医療保険に加入できる場合もあります。
限定告知型医療保険の加入に向いている人
ここでは、限定告知型医療保険の加入に向いている人について簡単にまとめていきます。
一般の医療保険に加入できない人
当然ながら、一般の医療保険に加入できなかった方にとっては、医療保険の加入ニーズは高くなります。今後の治療や入院・手術の心配も、何らかの医療保険に加入していることで経済的な不安も解消できます。
持病にかかる高額な医療費が心配な人
持病の治療に今後も多くの医療費がかかる可能性のある方にとっては、医療保険に加入していることの安心感は図り知れません。
長期入院や高額治療費の心配も、医療保険でカバーできる部分だけでも安心を享受することが出来ます。
保険料が割高でも支払える経済的な余裕がある人
上述の通り、一般の医療保険よりも割高な保険料になりますので、保険料の支払い負担も押さえておくべきポイントです。
就労中であれば給与等からの支出となりますが、勇退後の年金生活でも保険料負担は続くことになります。保険料支払いリスクも加味した上での加入が重要となります。
まとめ
これまで、持病があっても加入が出来る医療保険について、解説をして参りました。
持病や既往症がある方にとって、将来の入院や手術リスクも高く、同時に不安も大きいと思います。
医療保険に加入していることで、いざ入院や手術の際の経済的なダメージを軽減できるという点で、しっかりと保障を持っておくことが大切です。
一方、持病や既往症があるからと、安易に引受基準緩和型や限定告知型・無選択型の医療保険を選択するのではなく、状況により一般の医療保険でも加入が出来る場合もあります。
まずは、「しっかりと告知」をし、一般の医療保険加入にチャレンジしてみることをおススメします。部位不担保など特別条件が付保されるケースもあるかと思いますが、保障内容も充実しており、保険料も割安で加入が出来るなどメリットも大きいと考えます。
それでも、加入が難しい場合に、引受基準緩和型や限定告知型を選択してみるという流れが順当な検討方法になります。
いずれにしても、国内で販売されている医療保険はかなりの数があり、各保障内容や告知項目等も様々です。
こうした情報をすべて網羅して加入をすることは、困難であるのも事実です。
医療保険に精通した専門家に相談し、いくつかの選択肢の中から自分に合った保険に加入することをおススメ致します。
拙著 ほけんペディア『持病があっても入れる生命保険はある?』もご参照下さい。
⇒ https://hokenpedia.itcstg.jp/seimeihoken/seimei-jibyou/