昨今では医療技術の進歩により、日帰り入院や日帰り手術が増えてきていると思いますが、日帰り手術の場合、医療保険の給付金はどうなるのでしょうか。その際の給付金について、また、日帰り手術と日帰り入院手術の違いなどについても解説します。
「日帰り手術」で手術給付金を請求できる?
入院をともなわない外来手術を「日帰り手術」といいます。
多くの人が入院もしていないのだから、保険給付金の支給対象外であると考えがちですが、違います。
契約内容にはよりますが、「日帰り手術」であっても、手術給付金を請求できることがあります。
「日帰り手術」の保障がある医療保険に加入している人で、保障内容を知らなかったために、給付金の請求ができなかったり、そもそも請求ができないと思っている人が意外に多いのではないでしょうか。
「日帰り手術」と「日帰り入院手術」の違い
「日帰り手術」とは文字通り、その日に手術を行い、その日に帰る事を指します。
1日は0時から24時までとしてカウントされます。
美容整形手術やレーシックなど視力矯正手術、親知らずの抜歯術、手術給付金の対象になりません。
詳細に関しては、それぞれの保険会社が定めていますので、確認しましょう。
「日帰り入院手術」とは
「日帰り入院」とは、入院した日と、退院した日が、「同日」の入院のことで、1日病室を使用した場合のことを指します。
「同日」とは、その日の0時から24時までのことになります。
手術をしたとしても、数時間病室を使用してその日に帰る「通院(日帰り手術)」とは区別されており、「日帰り入院手術」であれば入院保険金の支払いの対象となります。
(※ただし、日帰り入院が保障される契約をしている場合に限る)
ではどこで、「日帰り手術(通院)」と「日帰り入院手術」の区別をするのでしょうか。
精算時の明細に「入院料」と記載されていれば、「日帰り入院手術」、そうでなければ「日帰り手術」だと判断されており、それぞれの医療機関によって判断されます。
もしも、領収証の明細の「入院基本料」の欄に点数が加算されていたら、その治療は「日帰り入院手術」であったとされます。
給付金に差がつきますので、領収証に明細がなかったり、判断が難しい場合には、その場で医師や病院の受付窓口に問い合わせて確認することをおすすめします。
給付金の違いはある?
「日帰り手術」では給付金対象外になるものの、「日帰り入院手術」ならば、給付金や見舞金が給付されることがあります。
そのような意味でも、ご自身の手術が「日帰り手術」だったのか、「日帰り入院手術」だったのかを知ることが重要です。
たとえ、同術式の手術で、同じ時間病室を使用していても、それが「日帰り手術」とされていると、給付金・見舞金の対象外になってしまいます。
すべての「日帰り手術」・「日帰り入院手術」が保障対象ではない
そもそも、どんな手術であっても、また長期間入院したとしても、医療保険の保障の対象外になっているものがあります。
主だった症例でよく問合せのあるものは以下になります。
- 傷の処理(創傷処理、デブリードマン)
- 切開術(皮膚、鼓膜)
- 骨または関節の非観血的整復術、非観血的整復固定術および非観血的授動術
- 抜歯
- 異物除去(外耳、鼻腔内)
- 鼻焼灼術(鼻粘膜、下甲介粘膜)
- 魚の目、タコ切除術(鶏眼・胼胝切除術)
など
「日帰り手術」で手術給付金を請求する際の注意点
基本的に、手術給付金の給付対象となる手術は保険会社が独自に指定しています。
各社詳細は異なりますが、88~89種類を指定している保険会社が多いようです。
また公的医療保険(健康保険)制度に連動しているタイプの医療保険の場合であれば、その範囲が、約1,000種類もの手術が保障対象になります。
いずれもご契約内容によって異なります。
まずは手術を行った(または予定がある)場合は正式な手術名(または診療報酬点数表上のコード)、手術施行日(開始日)をご確認のうえ、各保険会社のカスタマーセンターか担当者などに問い合わせをするとよいでしょう。
昨今の傾向として、入院が短期間化する、あるいは、日帰り手術の増加がみられるという特徴がみられます。
そこで各保険会社では、入院をともなわない手術でも、つまり「日帰り手術」にも、手術給付金を支払うという保険商品を多数開発しています。
最新の保険商品は常に進化し、ニーズや時代にあった設定のものがあります。
まとめ
3年にさかのぼって請求できます
突然のケガや疾病などで、いつ、自分が手術を受けるかは誰もわかりません。
たいがいの人は、保険の保障のことなどあまり考えずに、医療機関を利用することになります。
ところが、そのときに受けた手術や滞在時間、あるいは、領収証に記載された項目によって、保障される保険金額には雲泥の差が生じます。
嬉しいことに、保険給付金は過去3年にさかのぼって請求することができますので、もしもお心当たりのある方は、いますぐ加入している保険の契約内容を確認しましょう。
「契約の文言は読んでもよくわからない」という方も非常に多くいらっしゃいます。
そんなときは、躊躇せずに保険会社やファイナンシャルプランナーなどに問い合わせをしましょう。