世界的に有名なスイスの精神科医・心理学者である、カール・グスタフ・ユングをご存知でしょうか?
彼は人生を1日の太陽の運行に例えて、午前を少年~成人前期、午後を中年~老後の4つに分け、40代を「人生の正午」と呼びました。
また、この時期は人生の転換期でもあり、危機でもあると指摘しています。
実際、男女問わず健康面で不安が出てきたり、これからの生き方について悩んだりする方も多い年代ではないでしょうか・・・。
保険はそういった状況を金銭面から支える方法のひとつです。40代の生命保険の選び方・見直し方について考えてみましょう。
40代で生命保険の加入は必要?
とは言え、そもそも生命保険に加入する必要はあるのでしょうか?以下の2つの観点から考察してみます。
40代から高まる健康リスク
高血圧症や糖尿病などの生活習慣病の発症や重症化を予防することを目的として、2008年4月に40歳以上を対象とした「特定健康診査・特定保健指導」、俗に言うメタボ健診が始まりました。
厚生労働省の令和元年国民健康・栄養調査報告によると、高血圧症・糖尿病・脂質異常症の指摘を受ける人の割合が40代から増加し始めます。
参照:厚生労働省「令和元年国民健康・栄養調査報告」
https://www.mhlw.go.jp/content/000710991.pdf
しかしながら実際に治療や服薬をおこなっている人は50代以降に比べて少なく、特に高血圧症や糖尿病は自覚症状がない患者は受診までの期間が長い傾向にあります。
参照:厚生労働省「平成29年受療行動調査」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/34-17.html
また、睡眠で休養が十分に取れていない人の割合も40代が最も高く、30.9%となっています。こうしたデータからも、慢性的な運動不足や睡眠不足に陥っている人が多く、健康リスクが高まってくる年代と言えるでしょう。
40代の生命保険の加入率
生命保険文化センター「平成30年度生命保険に関する全国実態調査」によると、かんぽ生命および民間保険会社の世帯加入率は40~44歳では84.5%でした。
また、45~49歳では86.0%となっており、全年代で最も高くなっています。
健康診断の結果を受けて、加入を検討する人が増えているものとみられます。
参照:公財)生命保険文化センター「平成30年度生命保険に関する全国実態調査」
https://www.jili.or.jp/research/report/zenkokujittai.html
40代の生命保険選びのポイント
次に、生命保険を選ぶ際のポイントについて見ていきましょう。
生命保険に加入する目的を考える
生命保険の加入目的は、「万一のときの家族の生活保障のため」が49.5%、「万一のときの葬式代のため」が15.4%、続いて「老後の生活資金のため」(10.8%)、「貯蓄のため」(8.6%)となっています。
(前述 平成30年度「生命保険に関する全国実態調査」(出典(公財)生命保険文化センター)より)
一般的に生命保険の保険金受取人は自分ではなく家族となりますが、掛け捨てタイプではなく、養老保険や終身保険などの貯蓄性の高い商品であれば、将来の資金準備にも同時に備えることが出来ます。
また、最近では働けなくなった時や介護状態となった時にも受け取れる保険が増えています。
家計と保険料のバランスを見ながら、何を優先順位に置くかを考えて加入しましょう。
必要保障額を考える
まずはライフプランを立てましょう。
将来どんな家庭を築きたいのか、子どもにはどんな大人になって欲しいのか、どんな教育を受けさせてあげたいのか、家は一戸建て?それともマンション?旅行にも年に1回は行きたいな・・・。
といった夢を家族と一緒に考えることから始めて下さい。
そしてそれを叶えるための計画(貯蓄や家計のやり繰り、働き方など)を作り上げます。
そうすることで、自分自身に万一のことがあっても家族に遺してあげたい生活・・・「必要保障額」が判ってきます。
具体的なライフプランの作り方と、必要保障額の算出方法は以下の記事をご参照下さい。
保険期間を考える
保険期間は、本来働いて収入を得られるはずだった年齢(定年)までとするのが基本的な考え方です。
他には、子供が社会人になり独立するまでとする場合もあります。
また、年齢差があるご夫婦の場合だと、配偶者が年金生活に入るまでといった期間を設定するケースが多くみられます。
遺す側と遺される側、双方が安心出来る保険期間で加入しましょう。
40代で生命保険を見直すべきケース
既に生命保険に加入していても、見直した方がよい場合があります。
昔加入した保険をそのままにしている
一般的に生命保険は年齢が低いほど保険料が安いので、若いうちに加入した保険をそのままにしているケースが多いと思います。
しかし、標準生命表が改定された場合には見直しを検討する機会かもしれません。
標準生命表とは平均余命や死亡率を性別・年齢別にまとめたもので、金融庁から委託を受けた公益社団法人日本アクチュアリー会が作成します。
これは保険料を決めるための重要な指標のひとつとなっており、直近では2018年4月に11年振りとなる改定がありました。
参照:公益社団法人日本アクチュアリ―会「標準生命表」
http://www.actuaries.jp/lib/standard-life-table/index2018.html
これを受けて各生命保険会社は生命保険料の値下げをおこなっていますので、保険料が安くなるかどうかはケースバイケースですが、ご加入内容と同条件で保険料の試算をしてみるのも良いでしょう。
ライフステージの変化
結婚や出産など、ライフステージの変化に合わせて必要な保障額は変わります。
また、住宅ローンを組んだ場合などは働けなくなった時の保障を検討する方も多くいらっしゃいます。
「必要保障額を考える」の項で述べたように、ライフプランを立てて自分に必要な保障を確認し、現状の保障内容と合っているか確認しましょう。
まとめ
40代は健康リスクが顕在化し始める時期なだけでなく、仕事上では責任のある立場を任されて役職がつき、将来のキャリアデザインに悩む方が多くなる年齢でもあります。
また、普段ライフプランの相談を受けている立場から感じるのは、子どもの進学やセカンドライフ、親御さんの介護など、家庭面での心配事も増える年代だということです。
そういった状況において、保険は人生という家の土台、礎と言えるのではないでしょうか。
保険がすべてを解決してくれる訳ではありませんが、万が一の保障を安心出来るものにしておくことで、あとは健康に気を付けて、前を向いて頑張ることが出来ます。
ぜひ将来に渡って安心出来るライフプラン・保険プランを準備し、人生の転換期を乗り越えていきましょう!