子ども向けの保険はいつ入るのがベスト?

生命保険

大事なお子様のためには、将来苦労しないように何かと備えてあげたいものです。その一つとして、保険の加入を検討する方もいらっしゃるでしょう。加入するのであれば、どんな保険に加入すべきか、また、いつがベストなのかを考えてみましょう。

子どもにかける保険の種類

子どもが加入出来る保険の種類は、大人のものと大差ありません。ただし、生命保険は年齢によって加入出来る限度額が設定されています。15歳未満の場合は本人の同意を得ずに親権者だけの手続きで加入が可能ですが、保険金目的殺人が疑われる事案が頻発したことから、モラルリスクの観点より、他の保険会社を含めた通算限度額が1000万円となっていますのでご注意下さい。

(金融庁 未成年者・成年者の死亡保険について:https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/dai2/siryou/20080703/01.pdf

生命保険

上記の通り限度額もありますが、一般的に考えて家計を支えていない子どもに高額な生命保険は必要ないでしょう。ただし、いずれ大人になり独立した家庭を持つようになることを想定すると、お葬式代程度の保険金額(200~300万円前後)を準備しておくのが良いと思います。

また、掛け捨てではない解約返戻金のあるタイプにしておけば、将来お金に困るようなことがあれば減額・解約をして使うことも可能です。保険料の払込期間を20歳前後に設定して払い込みを完了しておき、成人や結婚するときにお祝いがてら渡してあげるといった活用が考えられます。

具体的な商品としては、養老保険や終身保険といったものが挙げられます。大人になってから加入するよりも長い期間加入することになるので、貨幣価値の変化や物価の上昇に対応が可能な、変額保険を活用するのも一考です。

(日本銀行 物価上昇について:https://www.boj.or.jp/announcements/education/oshiete/history/j12.htm/

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医療保険

大人と同じく、入院・手術が給付対象となる医療保険や、がん保険などがあります。特に小さい頃は病気だけでなく転んでケガをした時などのために、ケガの通院給付金の特約を付けておくとよりご安心かと思います。

また、5年以内に連続10日以上の入院が無いなど、一定条件をクリアすると保険料が逓減していく商品や、健康祝い金の受取総額が払込保険料と同等となる商品もあります。こういった、将来の保険料負担を軽く出来る可能性があるプランもお勧めです。

個人賠償責任保険

個人賠償責任保険とは、日常生活において法的に賠償責任が発生した際に補償される保険です。人にぶつかってケガをさせてしまった、お店で陳列されている商品を落として壊してしまった、自転車に乗っていて出合い頭でぶつかり相手にケガをさせてしまった、ボール遊びをしていて近所の車に傷を付けてしまった……などのケースがあります。

いずれも、大人でも起こり得る出来事ですが、突発的な動きをすることが多い、小さい子どもの方が起こしてしまいがちです。

加入に適切なタイミングは?

では、保険加入のベストタイミングはいつなのでしょうか? それぞれの保険について見ていきましょう。

生命保険・医療保険

基本的には健康なうちにご加入いただくのがベストですが、教育費や日々の生活費も増えていく中で保険にそこまで掛けられない!というケースも多いのではと思います。優先順位を付けるならば、子ども自身の保障である医療保険を先に準備してあげるべきでしょう。

各自治体によって対象年齢が異なりますが、「乳幼児等・こども医療費助成制度」があるので、制度が適用されている間は、医療保険は必要ないという方も多いと思います。

しかし、まだ身体が小さく弱い子どもだからこそ不意に大病を患ったり、風邪を繰り返すうちに慢性的な中耳炎になったりして、医療保険に加入しにくい健康状態になってしまうことも考えられます。実際、0~4歳にかかる医療費は50代後半の医療費に匹敵します。

参照:厚生労働省「生涯医療費(平成30年度)」
https://www.mhlw.go.jp/content/shougai_h30.pdf

生命保険と比べると保険料はリーズナブルですので、出来れば生まれてすぐにご加入いただくのが良いでしょう。

個人賠償責任保険

ケガの保険や、自家用車の任意保険、住居の火災保険に特約で付けることが可能です。契約者本人だけでなく、同居の親族や別居の未婚の子も補償対象となっているプランが多いので、お子さんが生まれたからと言って慌てて加入するのではなく、自家用車をお持ちの方は自動車の任意保険に、賃貸ないし持ち家の方は火災保険に特約で前もって付けておきましょう。そうすれば、お子様が生まれると自動的に補償対象に含まれます。

なお、生命保険や医療保険と違って、複数社に重複して加入していても、重複して保険金が支払われるわけではありません。一つの事故の補償額に対して、1社の個人賠償責任保険金額で賄えた場合は他の保険は使えません。最近では補償額の上限を無制限としている商品も出ていますので、重複加入とならないように気を付けましょう。

まとめ

お子さまを授かる頃というのは、新しい家族が増えたことがきっかけで新居や車の購入・買い替えを検討し始めたり、産休・育休で働き方が変わったりするなど、ライフプランの大きな転換点となる時期です。

出来るだけ子どものために備えてあげたいと思いつつも、それによって家計が圧迫されて日々の生活が窮屈になってしまっては本末転倒です。しっかりライフプランを立てて優先順位をつけ、出来るところから準備を始めていきましょう。

執筆者

鷹尾 和哉(ファイナンシャルプランナー)

2000年大学卒業後、大手システム開発会社に入社しインターネットバンキングなどの開発に従事。自身のライフプランを立てたことがきっかけでFPの資格を取得、その後外資系保険会社に転職し、約300世帯のライフプランを任される。よりお客様に寄り添った提案がしたいと2012年に現職へ。家計や保険の見直し、相続、資産運用などの個人相談業務を数多く行っており、個別の資金計画がとてもわかりやすいと好評を得ている。
■保持資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士AFP資格トータル・ライフ・コンサルタント
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