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医療保険請求に診断書は必須! 気になる費用や確認したい注意点を徹底解説

医療保険

この記事を書いた人

宮野 亮一(ファイナンシャルプランナー)

1995年大学卒業後、空調関係のメーカーに就職。このころ職業能力検定の一つとなったファイナンシャル・プランニング技能士、いわゆるファイナンシャルプランナーという仕事に興味を持ったことがきっかけで、2001年に損保系生命保険会社へ転職。主な業務は、家計相談やライフプランニング、そして個人・法人保険の販売。12年の経験を積み、より幅の広いコンサルティングアドバイスするために現職へ。個人の家計相談はもちろん、ライフプランセミナー、相続・事業承継等のコンサルティングを行う。ほけんペディアでも、幅広い分野の記事を執筆中。
■保持資格:AFP資格証券外務員一種
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入院や手術をした時に給付金等を受け取ることができ、加入していて良かったと思えるのが医療保険です。しかし、実際に給付金等を受ける際の手続きを経験されている方は少ないのではないでしょうか。

医療保険に加入していても、病気やケガで入院・手術をしただけでは給付金等がもらえるわけではありません。医師の診断書に基づいて請求をする必要があります。

では、一体どうやって診断書をもらい請求すればよいのでしょうか。加入しているだけで、請求出来ていなかったり、し忘れていることはないでしょうか?

本記事では、医療保険を有効にきっちりと活用するために必要な診断書の受け取り方や、その際にかかる費用、受け取り時の注意点さらには給付金等の請求の仕方について解説します。

医療保険の請求に必須の診断書とは?

診断書は病院で医師に書いてもらうもの

診断書とは医師が作成する書類で、病気やケガの症状についての所見や診断内容、治療内容などを証明する書類のことをいいます。医師法の規定により医師だけが作成することができ、保険加入者自身が作成する類の書類ではありません。

医療保険の加入者が給付金等の請求を行なった際に、保険会社は診断書の内容を確認します。また加入時に、告知義務違反はしていないかどうかを見極める重要な書類にもなります。

診断書作成にかかる費用は高い?

これまで解説してきた通り、診断書は医師が作成する書類であり、その作成には費用が発生します。

診断書の作成費用は医療機関にもよりますが1通あたり5,000円~10,000円程度になります。この費用は保険の給付金等からは出ないので自己負担となります。

加入している保険会社が複数ある場合、各保険会社が定める書式は異なっていることが多いため、何枚も診断書を書いてもらうとなるとそれぞれの診断書に費用がかかります。

また保険会社にもよりますが、他の保険会社の診断書コピーが活用できる場合は作成の費用を抑えることができます。

なお、給付金等をご請求いただいた際に、所定の診断書を提出したにもかかわらず、支払い対象とならずに給付金等をお受け取りいただけなかった場合には、診断書取り付け費用として実費や所定の金額を支払う保険会社もあります。

診断書の書式は2種類

診断書には各保険会社が定めている書式と病院の書式の2種類があります。上述の通り、指定の書式でないと請求を受け付けない保険会社と、病院の書式や他の保険会社の診断書コピーでも対応できる保険会社もあります。

ですので、複数の保険会社に加入されている場合には、各保険会社が定めている書式の確認が必要になります。確認を怠り、誤った書式の診断書を作成してしまった場合、費用が無駄になってしまいますので気をつけましょう。

診断書をもらう際の3つのポイント

使用目的を明確に伝える

保険会社に給付金等を請求するための診断書であることを病院側にしっかりと伝えましょう。例えば給付金の中でも手術給付金については、仮に同一の傷病名だとしても手術の術式により給付金額が変わってくるケースがありますので特に注意しましょう。

提出日を定める

診断書が必要になるタイミングを明確にし、そこから逆算して準備を早めに進めておくことも非常に大切です。

医師が診断書を作成するには時間がかかります。また、入通院している時は頻繁に病院に行くことになりますが、完治、あるいは手術等の処置が終了し経過観察の時期に入ると病院へ行く機会も少なくなります。診断書を受け取るためだけに病院に行くのは極力避けたいですよね。

ですので、入院や手術をすることが判明したら、加入している保険の担当者や保険会社のカスタマーセンター等に連絡して早めに請求書類を準備することがお勧めです。退院時に診断書を受け取れるのがベストですが、できるだけ早く診断書作成の依頼が出来るようにするのが良いでしょう。

自分で書く欄は予め埋めておく

診断書の中には自分で記入しなければならない欄があります。医師に書いてもらう前に、ご自身で埋める必要がある箇所については記入しておくほうが良いでしょう。これにより医師が誤って、患者自身が書かなければならない箇所を書いてしまう心配がなくなります。

また医師が書かなければならない箇所が明確になりますし、医師は診断書を記入することは本来の仕事ではありませんので、できるだけ負担が少なくなるように心がけるのが良いでしょう。

医療保険の請求を3ステップで解説

生命保険会社に連絡をする

生命保険会社は連絡がない限り、被保険者が入院や通院、手術を受けたという事を知ることができません。

ですので、被保険者が入院や通院、手術をした場合には、加入している生命保険会社の担当者、営業所・支社、コールセンターなどに、できるだけ早く連絡することが大切になります。

生命保険会社に連絡する時には、証券番号、被保険者の氏名、入院日(通院日)を伝えるとスムーズに進みますが、証券番号が分からなくてもまずは連絡をしましょう。

必要書類を準備する

生命保険会社が連絡を受けると、請求に必要な請求書や生命保険会社所定の診断書など(会社によって異なる)の書類が届きますので、それに従って必要書類を準備します。

診断書は原則として生命保険会社所定のものを使用します。入院日数や支払われる入院給付金の合計額などによっては診断書の添付を不要とする生命保険会社もあります。

生命保険会社に返送する

診断書が準備できましたら、保険金・給付金請求書に必要事項を記入し、返信用封筒に診断書、場合によっては領収書と一緒に保険会社に返送します。最近はインターネットやSNSアプリで給付金の請求を受付している保険会社もあります。

請求に必要なすべての書類が生命保険会社に到着した日から1週間程度で保険金・給付金が振り込まれるケースが多いです。必要な書類が不足している場合や記入漏れがあった場合には、さらに日数がかかることになりますので返送時によく確認しましょう。

診断書をもらう前に必ず確認したい3つの注意点

病院から診断書を受け取る場合、金額に幅はありますがほぼ確実に費用がかかりますので、作成を依頼する前にいくつか注意をしましょう。

生命保険会社が書式を指定することもある

まず、診断書の提出が必要なケースにおいて、生命保険会社が書式を指定することもあるという点に注意が必要です。保険会社指定の診断書でないと受け付けないのか、病院が発行する診断書でも請求が可能かどうかを確認する必要があります。

この点は、診断書の作成を依頼する前に必ず生命保険会社に確認するようにしましょう。

診断書がいらないケースもある

次に、診断書がいらないケースもあるという点にも注意が必要です。

給付金等の請求内容によっては診断書の提出が必要ない場合があります。これは、病気・けがの種類や入院、通院の日数、手術の種類、保険会社の規定等により変わってきます。

また、複数の保険会社に請求する場合においても、保険会社それぞれ指定の診断書で請求しなければならないのか、他の保険会社の診断書のコピーで対応してもらえるのかを確認する必要があります。

退院後にも作成してもらえるが、期限はある

保険金や給付金等の請求は一般的に3年以内という規定が約款にあります。もちろんその期間内に請求を行えば良いのですが、忘れてしまうこともありますので、入院中や退院後直ぐに診断書を依頼し保険金や給付金等を請求されたほうが良いでしょう。

数年後に診断書の作成を依頼するとなると、病院側がカルテを更新してデータが残っていなかったり、担当医師が退職しているケースもありますので注意しましょう。

診断書に関するQ&A

入院中に診断書をもらって請求することはできますか?

入院の途中でいったんその時点までの入院期間に相当する入院給付金を請求することはできます。しかしこの場合、その時点までの期間の診断書を医師に作成してもらったのち、保険会社に請求することになります。

またその後に残りの期間の入院給付金の請求をすることになりますが、その都度必要書類の提出が必要になります。診断書の作成は基本的に有料となるため、まとめて請求した方が少ない費用で済むという事になります。

しかし、入院期間が長期になる場合もあります。その場合、入院中に病院から入院費等の請求がくる場合があります。その時は患者さんまたはその家族が費用を支払う必要がありますので、入院期間を見ながら給付金等を請求するのが良いでしょう。

入院途中に請求した場合、その後の入院期間分の給付金を請求するのを忘れないようにしましょう。

診断書はコピーではいけないのでしょうか?

保険会社ごとにいくつかの条件はあるものの、病院の診断書や他の保険会社の診断書コピーでも請求できるケースもあります。診断書を何枚も作成する費用がかからず、なおかつ素早く給付金等の請求ができます。

この点に関しましては生命保険会社ごとに条件が異なりますので、各生命保険会社のホームページやコールセンターで必ず確認してみてください。

一方で近年、請求に必要な書類を少しでも減らしていこうという傾向が生命保険会社には見られます。診断書の提出を省略できる主なケースとしましては、加入(責任開始)後2年以上経っていることや手術を受けていない入院・通院などがあります。

手術を伴わない入院給付金の請求であれば、医療機関が発行する領収書や診療報酬明細書、退院証明書等の書類のみの提出で診断書がなくても給付金等の請求ができる保険会社が増えてきています。

まとめ

今回は、医療保険を有効にきっちりと使うために必要な診断書の受け取り方や、その際にかかる費用、受け取り時の注意点について解説しました。

加入時には、保障内容や月々の保険料など、いろいろな内容を比較検討される方が多いと思います。しかし、この保険金や給付金等の請求の仕方を事前に把握している方は少ないのではないでしょうか。

診断書に限らず、給付金等の受け取り時には注意すべき点が数多く存在しています。入院や手術をした際に正しく給付金等を請求できるか、不安に思われる方もいらっしゃることでしょう。

そういった際は、保険のプロであるにファイナンシャルプランナーに相談してみるのもおすすめです。

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