学資保険の平均相場はいくら? ベストな保険料の決め方も徹底解説!

学資保険

お子さまが誕生したご家庭やこれから出産を控えているご家庭にとって、教育費はとても大きな関心事ですよね。親御さんから「ちゃんと学資保険に入りなさいよ」と言われる方もいらっしゃるのかもしれません。しかし、いざ学資保険に入ろうと思ってもどれくらいの金額を目標にしたら良いのか、また他のみなさんは月々にどれくらい支払っているのか、そもそも学資保険に加入するメリットはあるのか…と様々な疑問や不安が浮かんでくるかと思います。

そんな不安を少しでも解消できるよう、この記事では学資保険の基本から教育資金についての情報、学資保険を検討する際の重要なポイントについて分かりやすく説明をしていきます。そして多くの方が迷われる学資保険の「設定金額(学資金)」や「積立金額(保険料)」については具体的な数値を示しながら解説していきたいと思います。

この記事をぜひ参考にしていただいて、お子さまの大切な教育資金作りにお役立てください。

そもそも学資保険とは?

まず始めに、学資保険とはいったいどのような保険商品なのか、という点から話をスタートしていきましょう。

学資保険の概要

学資保険とは生命保険会社がお子さまの教育資金作りを主目的として販売している保険商品です。

通常は、【契約者:親(父・母)】・【被保険者:子ども】・【受取人:親(父・母)】という契約の形を取ります。教育資金を銀行預金などで貯めていく場合と最も異なるのは保険という保障機能があることです。具体的には、保険期間中に契約者である親が死亡した場合に、それから先の保険料支払は不要となり、契約時に約束したタイミングで学資金(満期保険金)が支払われる仕組みになっています。

学資保険では、「毎月1万円」というように保険料を任意に設定することが可能であり、毎月計画的にお金を積み立てていくことができるという特徴もあります。学資保険についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事もご参照ください。

学資保険の加入目的

それでは、なぜ普通に貯金をするのではなく、学資保険に加入するのでしょうか。その目的を整理してみます。

教育費を日常の家計と別に管理するため

教育費は必要となる時に不足していては困るものですよね。学資保険に加入すると毎月保険会社から保険料として引き落としがあり、計画的に、もっと言えば強制的にお金が積み立てられる仕組みを作ることができます。生活口座とは別に管理されることで必要性の高い教育資金を確実に貯めることができるというわけです。

リターンが期待できるため

皆さんも「ゼロ金利」という言葉はよく見聞きされると思います。銀行預金では、普通預金より金利が高い定期預金ですら多くの銀行で年利が0.01%程度という中でさらに、受取時には増えた利息に対して20.315%*1の税金が掛かってしまいます。学資保険を使うと、多くの場合払い込んだ保険料総額よりも少し増えた金額を受け取ることができ(ただし適切な加入の方法が必要です)、またほとんどのケースで受け取る学資金(満期保険金)に対して税金が掛かりません*2。

ただし、最近の運用状況の悪化によって、保険会社も大きなリターンを提供することが難しくなっています。

*1 所得税15% 住民税5% 復興特別所得税0.315%(2037年12月31日まで所得税に加えて復興特別所得税が課税されます)
*2 満期保険金の受け取り方等によって掛かる税金が変わりますので、詳しくは生命保険会社やFPに確認してください。

保障機能があるため

また、契約者である親が死亡した場合は、通常その後の保険料の支払いが不要となります。
万が一の事態が起こったとしても、契約時に約束した時期(お子さまが18歳の時など)に学資金(満期保険金)が支払われるという点が最大の強みでしょう。

一方で弱点も2点ほどあります。

1点目に、途中で解約した場合は、戻ってくる金額はそれまでに支払った保険料総額より少なくなるという点です。

そして2点目に、約束した時期にならないと学資金(満期保険金)が払われませんので、途中で資金が必要になった場合であっても使えないという点です。

学資保険選びの3ポイント

次に、学資保険を検討する際にどのような点に気をつけるべきか、また加入する学資保険は何をポイントに選択すれば良いのかという観点で見ていきましょう。

必要な金額を基準に選ぶ

まずは「いつ頃までに」「どれくらいの金額」を準備するかということが指標になります。お子さまの成長段階(幼稚園から大学)で平均的にどれくらいの教育資金がかかるのかについては、この後具体的に数字を出してお示しします。こういった数字を参考にしながら、必要な金額はどれくらいなのか、どの時期までに準備すべきなのかを明確にして最適なプランを考えましょう。

返戻率の高さを重視する

返戻率とは、次の式で計算されます。

つまり、支払った保険料の累計に対して、いくらの学資金(満期保険金)を受け取れるかを意味します。当然のことながら、誰もがより良いリターン(返戻率)のある商品を選択したいですよね。しかし、現在のような低金利環境では大きなリターンが期待できる商品はほとんどありません。

しかし、こういった状況でも、

  • 保険料の払込期間を短くすること
  • 学資金(満期保険金)の受け取り方を検討すること

など契約内容を工夫することで返戻率を良くすることも可能です。

特約は厳選する

学資保険の中には、特約として

  • 養育年金(契約者である親が死亡した場合に、年金として死亡保険金が決まった期間支払われる)
  • 子どもの入院時の医療保障

などが付いているものもあります。このような特約が付加されている場合は支払った保険料総額よりも学資金(満期保険金)の金額が下回ってしまうことがほとんどです。このような特約は、本当に必要だと考える場合に限って選択するようにしましょう。純粋に教育資金を貯めることが目的の場合には不要となることが多いので契約内容を吟味することが重要です。

子供の教育にかかる費用

ここでは、実際にお子さまの教育にどれくらいのお金が掛かるのかをデータを通して見ていきましょう。文部科学省では2年に一度、実際に子どもを公立・私立の学校に通わせている保護者を対象に、学校教育や学校外活動のために支出した経費などについて調査を行っています。この「子供の学習費調査」の平成30年度の調査結果をもとに考えてみます。

幼稚園から高校までの教育費

幼稚園から高校までの教育費については、日々の貯蓄から支払いしている方が多いのが実情です。ただし、私立の学校を選択した場合には多額の費用が掛かり、それなりの準備が必要となってきます。以下では、「平成30年度子供の学習費調査」の数字をもとに具体的なケースを計算してみます。

参照:文部科学省 「平成30年度子供の学習費調査の結果について」調査結果の概要
1 学習費総額 https://www.mext.go.jp/content/20191212-mxt_chousa01-000003123_03.pdf
【図表①】は同調査「結果の概要 表1」をもとに筆者が作成

上の表は、幼稚園・小学校・中学校・高校において、公立・私立それぞれのケースで掛かる費用をまとめたものです。授業料や入学金、教材費、遠足代など学校に支払うお金をまとめた「学校教育費」。給食代は「学校給食費」。習い事や学習塾(自宅学習教材、家庭教師なども含みます)をまとめた「学校外活動費」から構成されています。表の数字は得られた回答の平均値が示されています。

では、幼稚園から高校まで「すべて公立に通った場合」と「すべて私立に通った場合」で掛かる費用を比較してみましょう。

【全て公立(15年間)】:5,435,958円
(幼稚園 670,941円 + 小学校 1,927,686円 + 中学校 1,465,191円 + 高校 1,372,140円)

【全て私立(15年間)】:18,304,926円
(幼稚園 1,583,748円 + 小学校 9,592,146円 + 中学校 4,219,299円 + 高校 2,909,733円)

ご覧の通り、「すべて公立に通った場合」と「すべて私立に通った場合」では、教育費の差が15年でおよそ1300万円にもなることが分かります。この全てを貯蓄から支払うということであれば、貯蓄の状況はもちろんのこと、将来に渡っての収支の見込みをしっかり立てた上で考えていく必要がありますね。

大学での教育費

続いて、大学で必要となる教育費についても確認してみましょう。学資保険に加入する方の多くは、大学への入学や毎年かかる授業料を支払うことを目的にしています。ここでは、文系・理系学部に加えて、医学部、薬学部も持つ総合大学の慶應義塾大学の学費を紹介します。

【経済学部のケース(4年間)】:4,793,100円 [初年度 1,343,350円 + 2~4年生 (1,143,250円) x 3年間]

【理工学部のケース(4年間)】:6,853,100円 [初年度 1,863,350円 + 2~4年生 (1,663,250円) x 3年間]

【医学部のケース(6年間)】:22,059,600円 [初年度 3,843,350円 + 2~6年生(3,643,250円) x 5年間]

さすがに医学部となると、相当な金額になりますね。一般的な文系・理系の学費でも入学から卒業までに400万円~700万円近い学費が掛かることが分かります。私のお客様のケースで言うと、その全額を学資保険で準備するという方は滅多にいらっしゃいません。主に入学費に加えて、その後に掛かる学費をカバーするという目的でゴール設定(=満期保険金)される方が多いように思います。

また、大学にかかる費用として注意しておきたいのは、お子さまが自宅を離れて下宿をするケースです。この場合はさらに大きなコストが掛かることになりますので、そうしたケースも想定しておく必要があります。

学資保険の平均相場

学資保険の保険料の平均は月額いくら?

先ほどの章では、実際に大学で掛かる教育費について見てきました。それでは、学資保険には一般的にどれくらいの保険料が支払われているのでしょうか。

実は、学資保険の保険料について、平均が分かるような明確なデータはありません。参考としてソニー生命が行った「子どもの教育資金に関する調査2019」の中に、「子どもの進学費用のための備えとして、月々いくらくらい支出をしているか」という質問があります。これによると、平均で毎月17,474円支出しているというデータが示されています。

では、例えば毎月1万円・2万円を積み立てた場合、お子さんが生まれてからすぐに学資保険に加入したとして大学入学までにいくらくらい準備することができるかを考えてみましょう

【月1万円積み立てた場合】:216万円(=1万円x 12ヶ月 x 18年)

【月2万円積み立てた場合】:432万円(=2万円 x 12ヶ月 x 18年)

学資保険の場合、支払った保険料の合計を少し上回る運用ができると仮定して考えると、上記の計算結果を少し超えるくらいの金額が準備できるとイメージしていただければと思います。

学資保険の総額の平均は?

私のお客様では、200万円程度を学資金(満期保険金)として設定している方が多いように思います。つまり、上のケースで言うと毎月1万円程度の積立をしているということになりますね。

最近では運用環境が悪いため、保険料の支払期間を大学入学までの18年ではなく10年などと短くして、その後大学入学前まで据え置きすることで運用し、できる限り多くの学資金(満期保険金)をつくるというケースが増えています。支払期間を短くすると、その分月々の保険料は大きくなりますが、長い期間をかけて支払うよりも返戻率が高くなるというメリットがあります。また、支払期間が10年と短い場合、お子さんが小学生の比較的支出の少ない期間に積み立てを終えられるという安心感もあります。

学資保険の毎月の保険料の決め方3ステップ

ここでは、学資保険に加入する場合にどのように毎月の保険料(=積立額)を決めていくのかについて考えていきます。

将来のライフプランを立てる

私がお勧めするのは、ご家族のライフプランから考えることです。ご家族の希望や夢についてしっかりとビジョンを描き、大切にしたいこと、実現したいことの優先順位を明らかにしていきます。その結果として、将来必要となる資金を逆算して考えていくのです。こうすることで、必要な教育資金が明らかになり、どのように準備すれば良いかも明確になります。

また、教育資金の他にもたくさんの大切な資金準備があります。ライフプランで全体像を考えることはとても大切だと思います。

貯蓄と保険のバランスを考える

将来に備えて貯蓄をされている方は多いかと思います。家を買うための頭金、海外旅行へ行くための資金などご家族の将来や楽しみを考えて貯蓄することはとても大切なことです。人生のあらゆるイベントの中で、どの程度のお金を教育に回せるのかを考えることが一つのポイントです。

そして大切な教育資金を確保するという点で重要なのは、学資保険に加入する際に、無理な保険料を設定しないということです。後々、何らかの事情で保険料を支払い続けることができなくなり、学資保険を解約せざるを得なくなることはぜひとも避けたいところです。解約した場合には、それまで支払ってきた保険料総額よりも少ない金額しか戻らないことがほとんどで、その後の保障を失い、目的としていた学資保険による教育資金の確保ができなくなってしまいます。

月いくら保険料が必要か割り出す

さあ、ここまで「教育費にはどれくらいの金額が掛かるのか」、「いつまでに用意をするのか」、「どのようにして保険料を決めるのか」について見てきました。読者の皆さんには、その答えが見えてきたと思います。

前節でご説明した通り、教育費のうちどれくらいの割合を学費保険で賄うことにするのか、ということを決める必要があります。

毎月の保険料の目安を計算するには、次の式で算出します。

学資保険に関するQ&A

最後に、学資保険についてよく寄せられる質問についてお答えします。

母子家庭で学資保険に加入する場合平均の保険料は?

母子家庭の場合には保険料の設定をどのように考えたら良いでしょうか。これも具体的に「いくら」という答えは示すことができませんが、やはりライフプランを行い将来に渡っての収支を確認すること、そして必要な教育資金を把握することが重要です。その上で、先ほどの式で保険料を算出しましょう。

また、ひとり親の家庭に対しては各自治体によっては助成金などがあります。大学や専門学校の学費についても、2020年4月から『高等教育の修学支援』制度がスタートしました。お子さまの学びたいという気持ちに応えるためにもこうした制度について探求し、活用していきたいですね。

参考:文部科学省ホームページ 『高等教育の修学支援新制度』
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/hutankeigen/index.htm

学資保険の満期保険金はいつ受け取れる?

学資保険の学資金(満期保険金)はどのタイミングで受け取ることができるのでしょうか。答えとしては、「加入している保険商品によって異なる」ということになります。ですので、ご自身が加入されている学資保険では、学資金(満期保険金)をどのタイミングで受け取ることができるのかということについてはしっかりと確認をすべきといえるでしょう。

かつて学資保険の学資金(満期保険金)受取時期は、ほぼ全て大学入学前(お子さまが17歳、18歳の時)までに全額受け取るように設定されていました。ところが、低金利時代が始まり状況が変わっていきました。もし、学資金(満期保険金)を大学入学前までに全額まとめて受け取るという形にすると、学資金(満期保険金)は支払保険料の総額とほとんど同じか、場合によってはそれよりも少ないというケースも出てきたのです。

そこで、保険会社は学資金(満期保険金)の支払いを大学入学前までに全額支払うのではなく、大学在学時の1年毎、卒業時といった形で分散して支払う形式の商品を開発しました。それに応じて保険料の支払いも18歳までではなく、大学卒業までと長くしているものもあります。このようにすることで、運用成果を高めてトータルの返戻率を高くした訳です。

そこで、注意すべきことがあります。大学入学に向けてお金を貯めるつもりで加入したつもりだったのに、実際には大学入学後にも分散して受け取ることになり困ったというケースが出てきています。学資保険に加入する際には、是非とも気を付けてほしいポイントです。

学資保険以外に子供の教育資金を貯める方法は?

学資保険を使わずに、教育資金を貯める方法にはどのようなものがあるでしょうか。教育資金は、必要な時に使うことができるようにしておくことがとても大事だと思います。よって、増やすことができそうだからといって値動きが激しい投資商品などを使うと、いざ必要な時に受取額が少なくなってしまい学資金として利用できなかったということにもなりかねません。

大きく増やすことはできなくても、必要な時に必要な額を利用できる方法を中心に考えましょう。利率は低金利状態ですが、定期預金を使うのも一例です。生命保険では、解約返戻金を低く抑えた「低解約返戻金型終身保険」や「外貨型終身保険」、「個人年金保険」などを使って教育資金作りをすることもあります。いずれの場合も、きちんとした条件で契約、資金必要時の手続きをする必要がありますので信頼できるプロに相談することをお勧めします。

なお、学資保険以外で教育資金を貯める方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご参照ください。

まとめ

さて、ここまで学資保険の平均的な相場や保険料の決め方について説明して参りました。ご理解いただけましたでしょうか。

一番大事なことは、「世の中の平均はどれくらいなのだろう?」という声に惑わされるのではなく、皆さんそれぞれのご家庭の事情やご希望を考えた上で、貯蓄目標や毎月の保険料(積立額)を決めていくことです。計算式についてもお示ししましたね。長い人生においては教育資金だけではなく、住宅に関する支払いやご自身の老後に備える必要もあります。

皆さんにとって、それぞれの優先順位はどうなのか。ご夫婦で得られる収入はどれくらいになりそうか。お子さまの成長によって増えていく出費はどうなるのか。こうしたことを体系的に捉えるのがライフプランの一つの狙いです。その中で、お子さまの将来を考える上で大切な教育資金をどのように作っていくのかを考えていく、というプロセスが重要だと思います。

ライフプランを考えるような時には、ライフプランの立て方を熟知し適切なアドバイスができるFPを活用してみてください。

執筆者

速水 秀樹ファイナンシャルプランナー

1996年大学卒業後、繊維・化学メーカーに就職。ライフサイエンス関係の商品を海外展開する職務に従事。その頃「将来は海外での生活」を夢見るが、実母と祖母のダブル介護に直面し、サラリーマン生活に終止符。この時大きな人生の岐路に立ち、ライフプランニングと出会う。その重要性に気付き、自身がファイナンシャルプランナーへ。介護の経験、豊富な知識を生かし「お客様に誠実に寄り添い、本当の声を聴く」をモットーに活動中である。学生時代から登山が趣味。山登りで学ぶ先を読む力が、相談業務にも生かされている。執筆は、介護に関する記事も。
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