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学資保険は年末調整で控除される? 申請する方法や注意点

学資保険

この記事を書いた人

綿引 隆弘(ファイナンシャルプランナー)

1995年大学卒業後、大手住宅販売会社に入社。FP資格を活かすべく2002年外資系金融機関に転職。ライフプラン・相続事業承継・リタイアメントマネジメント等、法人・個人への提案業務に従事。2012年、更なるソリューションを追求するために独立し現在に至る。~Improve your quality of Life~(価値ある人生のお手伝い)を旨として、人生に関わるすべての課題・問題に対し、ファイナンシャル・プランナーとして、また保険マンとして、そしてひとりの人間として、解決方法を見出していく活動をしています。ほけんペディアへの記事掲載については、より多くの方々に保険について詳しく知って頂きたいという気持ちと自分自身が真摯に保険に向き合うことが出来る素敵な時間になっています。
■保持資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士AFP資格トータル・ライフ・コンサルタント
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子どもが生まれたら、加入を検討する保険のひとつに学資保険がありますが、詳しい内容まではわからないと思われる方も少なくないようです。

ここでは、学資保険は年末調整で控除されるのか、また、その申請方法やどのような点に注意すべきなのか等について解説させて頂きます。

そもそも学資保険とは?

学資保険とは、その名の通り、「子どもの学資金(教育資金)を準備するため」に加入する貯蓄型の保険を言います。

一般的に、子どもを被保険者として加入し、17歳・18歳あるいは22歳を満期とし、保険契約者(親)の万一の場合、その後の保険料が免除となり、保障がそのまま継続して学資金を受けられる商品となります。

学資保険は生命保険料控除の対象となる

生命保険料控除には、旧制度では、「一般生命保険料控除」・「個人年金保険料控除」の2種類の控除、新制度では、「一般生命保険料控除」・「介護医療保険料控除」・「個人年金保険料控除」の3種類の控除があります。

そのうち学資保険は、旧制度・新制度ともに「一般生命保険料控除」に分類されます。

1年間に支払った保険料に応じて、一定額を課税所得から控除することが可能です。

それにより、所得税と住民税が軽減されることになります。

年末調整における控除申請の方法

ここでは、年末調整における控除申請方法について解説をさせて頂きます。

給与所得者の保険料控除申告書の書き方

学資保険の保険料控除の申請を行う際には、個人が控除額を算出して、「給与所得者の保険料控除等申告書」と言う書類に記入をする必要があります。

例年10月~11月初旬頃に、保険会社より「生命保険料控除証明書」という書類が発送されますが、その書類に記載されている内容(下表をご参照下さい)を申告書に記入し、提出をします。

給与所得者の場合には、年末調整の際に勤務先に提出し、個人事業主等の方は、確定申告時に提出をします。

生命保険料控除証明書のサンプル

〈令和○年 生命保険料控除証明書〉
【旧生命保険料控除制度】

年金 年間個人年金保険料
***円
配当金(相当額)
***円
個人年金申告額
***円
一般 年間一般生命保険料
73,200円
配当金(相当額)
***円
一般申告額
73,200円

【新生命保険料控除制度】

年金 年間個人年金保険料
120,000円
配当金(相当額)
***円
個人年金申告額
120,000円
一般 年間一般生命保険料
84,800円
配当金(相当額)
***円
一般申告額
84,800円
介護医療 年間介護医療保険料
43,500円
配当金(相当額)
***円
介護医療申告額
43,500円

一般的な保険会社から郵送される生命保険料控除証明書は、2段に記載されていることが多くあり、1段目は「証明額」と記載されています。

こちらは、生命保険料控除証明書発行時点での保険料について記載されています。

一方、2段目は「申告額」と記載があります。こちらは、12月までに支払予定の保険料額が記載されています。

年末調整時・確定申告時には、下段の「申告額」(上記表)の保険料を保険料控除申告書に記載します。

※詳細については、下記をご参照下さい。

■『国税庁HP [手続き名]給与所得者の保険料控除の申告』
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_05.htm

■『国税庁HP No.1140 生命保険料控除』
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1140.htm

旧契約の控除額の算出方法

控除額の算出方法についてですが、保険契約締結日によって、旧制度と新制度に分かれます。

契約が、2011年12月31日以前の場合は旧制度、2012年1月1日以後の場合には新制度となります。

保険会社から発行される「生命保険料控除証明書」には、旧制度・新制度の分類について表記されていますので、記載内容を参考にしながら、申告書に記入をすることをおススメします。

旧制度の控除額の算出方法は以下の通りです。

年間の支払保険料等 控除額
25,000円以下 支払保険料等の全額
25,000円超、50,000円以下 支払保険料等×1/2+12,500円
50,000円超、100,000円以下 支払った保険料の合計×1/4+25,000円
100,000円超 一律50,000円

新契約の控除額の算出方法

新制度の控除額の算出方法は以下の通りです。

年間の支払保険料等 控除額
20,000円以下 支払保険料等の全額
20,000円超、40,000円以下 支払保険料等×1/2+10,000円
40,000円超、80,000円以下 支払保険料等×1/4+20,000円
80,000円超 一律40,000円

生命保険料控除には上限がありますので、一部の保険のみで控除の上限額に達する場合もあります。

そうした場合には、それ以降の保険は記載しなくても問題はありません。

年間支払保険料の大きいものから記入していき、新・旧制度ごとに合計保険料がそれぞれ上限額に達した時点で記載をやめてしまっても損になることはありません。

学資保険の年末調整における注意点

ここでは、学資保険の年末調整における注意点を纏めておきます。

既に生命保険料控除を受けていると控除対象外となる可能性がある

既に生命保険料控除を受けている場合には、控除の対象外となります。

例えば、年末調整で生命保険料控除を受けている場合で、医療費控除やふるさと納税の申告とともに確定申告でも再び生命保険料控除の手続きをしてしまった場合などは、控除が二重になってしまうため、控除対象外となります。

また、保険契約によっては、一時払にて保険料を納めている場合に、一時払保険料を支払った年に控除手続きをしていますので、翌年以降は控除の対象になりません。

保険期間が5年未満の場合は控除対象にならない

保険期間が5年未満の保険契約については、保険料控除の対象になりません。

『国税庁HP No.1141 生命保険料控除の対象となる保険契約等』には、「保険契約が5年未満の契約で、いわゆる貯蓄保険や貯蓄共済は含まれません。また、外国生命保険会社等又は外国損害保険会社等と国外において締結したもの並びに信用保険契約、傷害保険契約、財形貯蓄契約、財形住宅貯蓄契約、財形年金貯蓄契約なども該当しません。」と記載されています。

詳細については、下記をご参照下さい。

■『国税庁HP No.1141生命保険料控除の対象となる保険契約等』
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1141.htm

年末調整で控除申請を忘れてしまった場合の対処法

年末調整で控除申請を忘れてしまった場合には、確定申告期限である翌年3月15日までに確定申告をすることで、生命保険料控除の手続きが可能です。

尚、確定申告は、勤務先もしくは居住地管轄の税務署にて手続きをする必要があります。

給与所得者の確定申告の場合、【確定申告A】第一表の「所得から差し引かれる金額」欄、及び、第二表の生命保険料控除欄のそれぞれの区分に応じて、旧制度・新制度の保険料合計を記入し、提出をします。

さらに申告を忘れてしまった場合には、5年以内であれば「所得税の更生の請求手続き」をすることで対処が可能になります。

しかし、必要書類の準備や、申告の手続きも煩雑になりますので、忘れずに年末調整のタイミングで手続きを完了させることをおススメします。

■『国税庁HP 【確定申告・還付申告】』
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/qa/02.htm

■『国税庁HP [手続名]所得税及び復興特別所得税の更生の請求手続き』
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/01.htm

まとめ

ここまで、学資保険における生命保険料控除、申請方法や注意点等について解説をさせて頂きました。

学資保険は、その他の生命保険と同様に、生命保険料控除の対象にもなり、子どもの学資準備が出来るというメリットもあります。

生命保険料控除の手続きをすることで、所得税・住民税が軽減するメリットを有効に活用することも大切です。

手続き方法など不明点がある場合は、保険に詳しいファイナンシャル・プランナーにご相談頂くことをおススメします。

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