がん保険に入るのなら免責期間に注意しなければなりません。免責期間や責任開始日について詳しく解説します。
がん保険の免責期間って何?
2人に1人ががんになる※1と言われている今日、がん保険の加入を検討されている方も多くいらっしゃると思います。
ただし、がん保険に加入する際にほとんどのケースで登場する免責期間に注意しなければなりません。
ここでは、がん保険の免責期間や責任開始日について詳しく解説していきたいと思います。
※1. 国立がん研究センター がん情報サービス「最新がん統計」(全国がん罹患データ(2018年))
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html
がん保険の免責期間とは?
がん保険には免責期間(保険会社によっては待ち期間や待機期間と言われる場合も)が設けられており、その期間は大抵の場合90日となっています。
免責期間とは保険会社が加入者に対して保障の責任を免れる期間になりますから、その期間が90日間ということになりその期間中はがん保険の保障を得ることは出来ません。
免責期間が設けられている理由
では何故がん保険にだけこのような長い免責期間が設けられているのでしょうか?
それはモラルリスクを排除し、保険の公平性を保つためのものといわれています。
例えばがんの自覚症状がある方が病院で検査を受ける直前にがん保険に加入し、その後の検査でがんと診断されれば一時金等も含め100万円を超える給付金を受け取ることも可能になってしまいます。
つまり多額の一時金の受取りを目的とした保険加入を排除するために90日の免責期間を設けているのです。
また90日という期間ですが、これは自覚症状がある方ががん保険に加入しても90日間病院に行かずに我慢することが出来ないであろう期間として設定されています。
免責期間の保険料の支払いはある?
免責期間の90日間は保障されない期間となりますが保険料の支払いは必要になります。
一見無駄な保険料のようにも思えますが、保険会社はこの期間の保険料も将来の給付金支払いのための準備金として計算をしていますので決して無駄に支払うわけではありません。
注)最近では待機期間中の保険料を支払わなくてもよいという保険商品も出てきています。
免責期間がないがん保険もある
がん保険に免責期間が設けられている理由をお話しましたが、逆に免責期間を設けないがん保険はあるのでしょうか?
答えは、あります。
がん保険に免責期間が設定されている理由に多額の一時金の支払いが関係しているとお話しましたが、それに対して、大きな一時金が無く給付金も少額に設定されている商品などですと、あえて免責期間を設ける必要がないとの判断で商品設計されています。
がん保険の責任開始日はいつになる?
まず、保険の責任開始日の考え方を整理してみましょう。
通常の保険は
・保険の申込み
・健康状態の告知、または医師による診査
・第一回保険料の支払い
この3つが揃って初めて責任開始、つまり保険会社が加入者に対して負う保障の責任がスタートする日(責任開始日)となります。
しかし、がん保険の場合は免責期間が90日ありますので、上記3つが揃った日を含めてその日から91日目が責任開始日となり、ようやくがん保険の保障がスタートします。
また中には現在加入中のがん保険を見直して新しくがん保険に加入を検討されている方もいらっしゃると思いますが、その際は注意していただくが必要があります。
新たに入り直したがん保険が成立して直ぐに前のがん保険を解約すると90日の免責期間があるため、その期間はがんに対して無保険状態となってしまいがんの保障が途切れてしまうことになります。
「90日くらい大丈夫だろう」と考えずに保険料の支払を数ヶ月重複させてでも保障が途切れないように慎重に手続きをしましょう。
免責期間中にがんを発症した場合はどうなる?
多くのがん保険の約款には
「被保険者が責任開始日の前日までにがんと診断確定された場合は、保険契約は無効とする」
と書かれてあり、免責期間中にがんと診断確定された場合は保険契約自体が無効となります。
また、その間に支払われた保険料は返還されることとなります。
もちろん給付金が支払われることはありません。
まとめ
以上、がん保険の免責期間やその理由について確認をしてきました。特に加入中のがん保険の見直しを検討されている方は先程も述べた通り、免責期間に注意をして見直し後もがんの保障が継続するようにして欲しいと思います。