生命保険加入前にチェック! 社会保険と民間保険の違い

生命保険

生命保険や医療保険などの、民間の保険に加入する前や見直す前に、公的な社会保険の種類と保障内容を理解して、民間の保険で不要な保障をかけないようにしましょう。

社会保険とは

社会保険とは、私たちの生活を保障することを目的としたもので、万が一の事故や疾病や高齢、介護や失業、労働災害などのリスクに備えるための公的な保険制度になります。

主な社会保険の種類と保障内容

日本の制度では、健康保険、年金保険、介護保険、雇用保険、労災保険の5種類の社会保険制度があります。

それぞれみていきましょう。

健康保険とはいわゆる、「健保」と呼ばれるもので日本では国民皆保険制度のもと働き方や年齢等により属する組合は様々になりますが、被保険者の業務外の事由による疾病、負傷、死亡または出産について保険給付を行い、併せてその被扶養者の疾病、負傷、死亡または出産について保険給付を行うことにより、生活を安定させることを目的とした制度なります。

年金保険とは高齢になったとき、事故等で障害が残ったとき、亡くなったときの生活を国民みんなで支え、安定化させることを目的とした制度になります。

介護保険制度とは2000年(平成12)にスタートしました。高齢化社会を迎える日本において、社会全体で高齢者の暮らしや健康、安全を保障していくことを目的とした制度になります。

雇用保険とは、労働者が失業した場合などに必要な給付を行い、労働者の生活及び雇用の安定を図るとともに再就職の援助を行うことなどを目的とした制度になります。

労災保険とは、業務上の事由又は通勤による労働者の負傷・疾病・障害または死亡に対して労働者やその遺族のために必要な保険給付を行うことを目的とした制度になります。

民間保険とは

上記に書きました社会保険は強制加入の制度になります。

これに対して民間保険は任意加入の制度になり、いわゆる社会保険で保障されない部分や保障はされているがさらに上乗せで給付等を受けたいと考えたときに加入するのが民間保険になります。

社会保険と民間保険の比較

死亡のリスクに備える

勤務中の労働災害や通勤中の事故を除くと社会保険では死亡時は少額の埋葬料しか給付されません。
(一部の健保組合は付加給付という制度で支払らわれる場合もあります。)ですので、死亡時には一般的には葬儀やお墓、病院等の費用がかかります。

また残された家族がいる場合、生活費や子供の教育費の金額を考える必要があります。

この部分は終身保険や収入保障保険で備えます。

長生きのリスクに備える

社会保険ではいわゆる長生きに対しては年金が支給されます。

現在は被保険者の生年月日によって支給年齢は若干異なりますが、65歳から国民年金部分からでる老齢基礎年金とサラリーマンや公務員等の方々が対象の老齢厚生年金が支給されます。

だいたい65歳になったらいくら支給されるかに関しましては年1回、ご自身の誕生日前後に送付されます年金定期便にシミュレーションが記載されていますので、その金額に対して幾らくらい不足しそうかを考えて、個人年金保険や終身保険等で備えます。

病気やけがのリスクに備える

社会保険の健康保険では一般的に通院や入院や手術した時に年齢に応じて自己負担率が決まっており、その差額分を窓口で支払いします。

また入院時の差額ベッド代や食事代、先進医療、自由診療には社会保険は適用されないため、このような費用に対して病気やケガでの入院・手術に対して給付金が支払われる民間の医療保険で、また、けがになったときに入院・手術・通院給付金が支払われる民間の傷害保険で備えます。

働けなくなったときのリスクに備える

社会保険の雇用保険では失業や解雇された場合に給付があります。

ここの部分に関しましては一部民間保険でも代替できるケースもありますが、余りそれ専用の保険が無いので、貯蓄で備えるのが良いかと思います。

事故や災害のリスクに備える

社会保険では業務上の事故や災害に対しましては労災保険からの治療費等の給付があります。

加入済みの民間保険を見直す

不要な保障がないか

まずは皆様がいろいろなところから民間保険に加入されている場合があります。木を見て森を見ずではないですが、ご加入された時はひとつひとつの保険を考えて入ったと思います。

それがいくつか保険に加入したことにより、保障がかぶってしまう場合や現在のご自身の状況や制度ではあまり役に立たない特約等が出てくることもあります。

ですので、加入している民間保険をリストにして保障がかぶって無いかを確認する必要があります。

必要な保障を補えているか

また、上記にようにリストにすることで、現状やご自身の今後を考えて必要な保障があるか、また昔は必要では無かったたり、そのような考えも無かったが現在では必要だと考えられるような保障も出てくる場合があります。

そのような部分については民間保険の加入を検討する必要があります。

まとめ

現在、いろいろなところで働き方改革が言われています。少し前までは終身雇用制度や年功序列の賃金制度に守られてきた部分は多々ありました。

寿命が延びたことで働く期間や働き方も変化しています。

それに伴い社会保険への関わり方も変わってきています。

まずは自分の社会保険を確認して、どこの部分は社会保険(公的保障)があるのかを認識する必要があります。

特に、厚生年金や労災保険に加入されていない自営業者などは、大きな経済的リスクに対応できないおそれがあります。

そのようなときに備えて、民間保険に加入する意義はあると思います。

民間保険の種類は多種多様ですから、備えておくべきリスクを考えたうえで、必要な保障金額分の保険に加入しましょう。

執筆者

宮野 亮一(ファイナンシャルプランナー)

1995年大学卒業後、空調関係のメーカーに就職。このころ職業能力検定の一つとなったファイナンシャル・プランニング技能士、いわゆるファイナンシャルプランナーという仕事に興味を持ったことがきっかけで、2001年に損保系生命保険会社へ転職。主な業務は、家計相談やライフプランニング、そして個人・法人保険の販売。12年の経験を積み、より幅の広いコンサルティングアドバイスするために現職へ。個人の家計相談はもちろん、ライフプランセミナー、相続・事業承継等のコンサルティングを行う。ほけんペディアでも、幅広い分野の記事を執筆中。
■保持資格:AFP資格2019年度MDRT成績資格会員(Court of the Table会員)相続診断士
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