「生命保険」は、人生におけるリスクを考える上で、切っても切れないものです。
保険の対象者である被保険者の身に、予測できないアクシデント、例えば、病気や死亡などが起きた際、保険金や給付金を受け取れる仕組みになっています。
特に、家族世帯の大黒柱に不測の事態が起きれば、その子どもや家族の生活に大きく影響を及ぼします。
生命保険は、いざという時の「心強い味方」なのです。
本来、いざという時の「保険」にも関わらず、「十分な保障がない」「保障額を大きくしたら、毎月の掛け金がキツい」というような状況では元も子もありません。
したがって、ライフステージの変わり目には「保険の見直し」を行う必要があります。とは言っても、「保険のことはさっぱりわからない」という方もたくさんいらっしゃるかと思います。
当記事ではそんなあなたのために、「生命保険の見直しタイミングとポイント」をわかりやすくご説明していきますので、よろしければ参考になさってくださいね。
生命保険見直しのメリット
生命保険の見直しを行うメリットを大まかにまとめると、
①場合により、毎月の生命保険料が安くなる
②現状に合った保障を準備できる
③将来のための貯蓄を計画的に行うことができる
という3つです。
特に、生命保険料が家計を圧迫している方にとって重要になるのは、やはり①のメリットでしょう。
よくありがちな例でいえば、生命保険の見直しを行わないまま長期間放置してしまっているケースですね。
このようなケースでは、本来必要のない部分の保障に保険料を払ってしまっている場合も見受けられます。
本来必要のない部分の保障を削り、現状に合わせてカスタマイズしていく。それが生命保険見直しの目的であり、メリットだといえます。
生命保険見直しのタイミング
まず、「見直しを行うタイミング」についてご説明します。この章では、生命保険の見直しを行うべきタイミングをいくつか挙げて、ポイントに触れていきたいと思います。
①結婚
②出産
③住宅の購入
④子供の独立
上記は、ライフステージの変化が大きいものをピックアップしています。
基本的に生命保険見直しのタイミングは、「ライフステージに大きな変化が起きた時に行う」と捉えていただければ問題ありません。
では、ライフステージ別の生命保険見直しポイントについて触れていきましょう。
出産
お子さんの誕生、とても嬉しいことですね。家族が増えれる訳ですから、保障額も大きく増やす必要があるかもしれません。
まさに、生命保険の見直しが必要です。適正な「保障額」については、見直しのポイントとして後述しますね。
もし、このタイミングで見直しを行わず、不測の事態が発生すれば、受取れる保険金額が少額で、残された家族に厳しい生活を強いてしまう可能性があります。
子育ては、夫婦二人の力で行う訳ですから、どちらかがケガや病気で入院、事故などで重度の障害を負うなど、日常生活に支障をきたすような事態に備え、保険が必要となります。
住宅の購入
人生の3大費用の一つ、住宅購入費、多くの方は住宅ローンを利用します。
この住宅ローンには「団体信用生命保険(※団信という)」という保険に加入することが条件となっているケースが大半です。
これは債務者が、死亡または高度障害等となった場合に、住宅ローンの残高を全額補填する役割を担っています。
これにより、既存の生命保険の保障額を削減することできる可能性があります。
まさに、保険の見直しタイミングです。削減出来れば、家計の節約にもなります。
また、住宅購入時に、家計全体の見直しを行う方も多いです。
なぜなら、現状の家計で長期返済が可能か不安だからですね。
このタイミングに合わせて、生命保険の見直しを行い、保険料が削減出来れば、安心して新居での新生活が始められそうですね。
子供の独立
子供の独立も、生命保険を見直すべきタイミングです。なぜかというと、教育にかかっていた費用や生活費が不要になるからです。
その反面、夫婦の老後を考える時期に差し掛かりますので、保険の内容も大きく変更する必要があります。
傾向としては、疾病等に備えた医療保険や終身保険の内容を手厚くする方が多いです。
ご自身のライフプランを見直した上で、備えるべきリスクを回避できるような保険に見直しを行いましょう。
生命保険見直しのポイント
生命保険見直しのポイントは、
①保障内容
②保険料
③保険期間
④解約返戻金
の4つです。それぞれ非常に重要なポイントになっていますので、ポイント別に要点をご説明していきますね。
保障内容
生命保険で最も重要視するべきなのは、やはり「保障内容」です。せっかく生命保険をかけたにも関わらず、保障内容が不十分であれば、いざという時の助けになりません。
しかしだからといって、保障内容を手厚くすれば、毎月の保険料が高くなりますよね。そこで、多くの方が「何を見直すのが良いのだろう」というような疑問を持つわけです。
このような場合、「必要保障額」というものを算出し、それに基づいて見直しを行います。
必要保障額とは、万が一の事態が起こった際、将来的に必要になると予想される金額のことです。
一例として、契約者の死亡に備えた必要保障額の計算式を挙げてみます。
生命保険における必要保障額の算出例
・遺族の必要保障額=遺族の生活に必要な金額-遺族の収入
まず覚えておいていただきたいのが、必要保障額は家族構成や生活状況によって大きく異なるということです。
つまり、人それぞれ違うものです。例えば、遺族の生活に必要な金額が5,000万円で、遺族の収入が2,000万円だったとすれば、必要保障額は3,000万円ということになります。
対して、同じように遺族の生活費として必要な金額が5,000万円の世帯があったとしても、遺族の収入が1,000万円であれば、必要保障額は4,000万円になります。
このように、個々の世帯に応じて必要保障額を試算しなければ、過剰になったり不足したりと、現状に対応できなくなってしまう可能性もあるということです。
過剰になっている場合は、現状に応じた必要保障額に見直しを行うことで、生命保険料を節約することができます。
保険料
支払う掛け金つまり保険料も、重要視する1つです。なぜなら、将来のリスクに備えるべき生命保険が家計の大きな負担になってしまっては、元も子もないからです。
では、家計に適した生命保険料額とは、どのような目安で考えれば良いのでしょうか。
一般的に割合を考える際には、
・家計全体の余剰金がどの程度あるか
・家族の人数
・固定支出額の割合
などを総合的に判断して算出します。
過剰になっている場合は、優先順位の低い保障を外したり、保障額全体の引下げを行ったりといった対策が効果的です。
保険期間
「保険期間」とは保障が継続する期間のことですが、これも重要です。これは、ライフスタイルの変化にともない、変わる可能性があるからです。
例えば、第一子の誕生と共に保険に加入をする、その際、第一子の成人までの保険期間で加入し、そして、その後数年後に第二子が誕生したとします。
もちろん、第二子が成人するまでには、より時間がかかる訳ですから、保険期間も延長する必要があります。
その時々必要に応じた保険期間を設定することで、はじめて、不測の事態へしっかりと備えが出来るのです。
解約返戻金
あまり耳慣れない言葉かもしれませんが、解約返戻金も、重要です。これは、生命保険料に大きく影響する項目です。
解約返戻金とは、契約者が途中で保険を解約した場合などに、契約者に対して支払われるお金のことです。
終身保険などは、加入年数が長期になればなるほど、解約返戻金も増加するようになっています。
生命保険料を抑えたい場合、この解約返戻金が全くない「無解約返戻金型」への変更や、保険料払込期間中の返戻率が低い「低解約返戻金型」への変更なども効果的な選択肢になります。
ただし注意点として、契約後早期に解約した場合は払い込んだ保険料以下の解約返戻金しか戻ってこないケースがほとんどです。
したがって、むやみやたらに解約と契約を繰り返すことはやめましょう。
保険見直しを失敗しないために
ここまで触れたように、保険の見直しには専門分野の知識が必要不可欠になります。生命保険は住宅に次ぐ、「人生においての大きな買い物」だといわれていますので、見直しは適正に行わなければなりません。
このような観点から、やはり保険を専門的な立場で携わっている「ファイナンシャルプランナー」に相談するのが、より安心して保険の見直しを実行できるかと思います。
ファイナンシャルプランナーは非常に幅広い分野の知識を持ちますので、様々な視点からあなたに適した保険に対する考え方をアドバイスしてくれるでしょう。
生命保険の見直しを検討されるなら、一度保険を専門的な立場で携わっている「ファイナンシャルプランナー」に相談してみるのがオススメです。
まとめ
生命保険は、私たちの人生にとって必要不可欠なものです。
しかし、単に「掛けておけば良い」というものでもありませんので、適切な見直しを行わなければなりません。
あなたにピッタリの生命保険へカスタマイズして、将来のリスクに備えておきましょう。