現在加入している保険の見直しや、初めて保険に加入する場合、自分や家族にとって最適な保険を見つけられるように計画的に相談したいですよね。ここでは、保険の見直し相談を有効活用する方法についてご紹介していきます。
保険の見直し相談ができる方法
相談先としては、大きく以下の3つが挙げられます。それぞれの特徴を見ていきましょう。
保険代理店などの店舗で相談する
テレビコマーシャルなども頻繁にされていますし、ショッピングモールなどに併設されていることも多いので、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
また、最近では銀行や証券会社などの金融機関でも相談窓口を設けています。大抵複数の保険会社を取り扱っており、多いところでは30~40社前後の取り扱いがあります。
ただし、資本関係や取り扱い件数が多いなどの理由により、保険代理店独自に決めた推奨保険会社をあらかじめ絞って提案するところと、取り扱い可能なすべての保険商品の中からお客様の意向に沿って提案するところがあります。
最初に販売勧誘方針の提示をすることが法律で決まっていますので、どちらのタイプかを確認しておきましょう。
保険会社の営業マンに相談する
ひとつの保険会社に所属している、所謂保険外交員です。自社で取り扱っている商品のみ提案が出来ます。他社の商品を比べながら提案を受けることは出来ませんが、逆に自社商品に限って言えば細かなところまで精通しているとも言えます。
保険会社によって、医療保険の特約が豊富、積立保険の返戻率が高い、取り立てて特徴は無いがバランスよく商品ラインナップがあるなど強みが異なりますので、前もって保険会社のホームページやマネー雑誌の保険特集などで特徴を掴んでおくと相談もスムーズです。
ファイナンシャルプランナーに相談する
ファイナンシャルプランナーとは、金融、税制、不動産、住宅ローン、保険、年金制度など幅広い知識を備え、相談者の夢や目標が叶うように一緒にサポートする専門家のことです。
(日本FP協会:https://www.jafp.or.jp/aim/fptoha/fp/)
保険販売資格を持たずアドバイスのみをおこなうものと、保険販売資格を保有し保険提案が出来るものがいます。
相談者自身で個別に保険契約の手続きが可能であれば前者を、契約手続きも含めてサポートして欲しい場合は後者といったようにご自身にあったタイプを選びましょう。
有効活用するための相談先の選び方
では、実際に相談先をどのように選べば良いのでしょうか? 押さえておくべきポイントがいくつかあります。
ライフプランに合った提案をしてくれるところにする
保険の加入動機は人によって様々だと思いますが、家族構成や家計収支、生活習慣、将来の夢や目標などのライフプランも千差万別です。
保険はあくまでもライフプランにおける万が一の出来事に対して金銭面を支えてくれるものですから、保険商品ありきで提案を受けた場合は注意が必要でしょう。
しっかりライフプランのヒアリングをしてくれて、ライフプランに合ったプランを提案してくれているかどうか確認しましょう。
無料という理由だけで相談先を選ばない
タダほど怖いものはない……というわけでもありませんが、何かしらの対価があってこそ人は経済活動を行います。保険に限らず相談料無料!という宣伝の裏にはどこかで収益を上げている訳ですから、それだけの理由で選ばないようにしましょう。
もし選ぶ場合でも、どのようにして商売が成り立っているのかを質問し、しっかり回答してもらえるところにしましょう。
セカンドオピニオンも行う
最初に相談したところで満足のいく提案が受けられて解決するのが一番ですが、納得のいかないことや何かしら疑問が湧くことがあれば、他のところにも相談しセカンドオピニオンを受けましょう。
保険は加入すると何十年にも渡って保険料を支払っていくことになるため、払込総額は高額なものとなります。
また、中途解約をした場合は必ずしも払込保険料がすべて返金されるわけではありません。長く将来に渡って安心できるプランにするための努力は惜しまないようにしたいですね。
保険の見直し相談を有効活用するコツ
忙しい中で保険の見直しに時間を割くわけですから、出来るだけ有意義に効率よく相談したいですよね。ここではそのためのコツをお伝えいたします。
保険加入の目的をはっきり決めておく
保険の仕組みなど基礎からしっかり教えてもらいたいという場合はノープランでも問題ありませんが、やはり時間がかかってしまいます。加入したい保険の目的を決めておけば、提案をする側もその意図を汲み取ってプランを考えてくれるでしょう。
家族や友人が入院した、テレビや雑誌を見て気になることがあったなど、相談したいと思ったきっかけも伝えられるとよりスムーズかと思います。
希望条件を伝えながら質問する
保険料や保障額、保障内容など出来るだけ細かく希望条件を伝えるようにしましょう。もちろん相談者のほうが保険に関しては素人ですが、しっかり考えを伝えることで担当者も疑問に答えてくれるはずです。
まとめ
3年ごとにおこなっている生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査」によると、令和3年度では保険加入時の情報入手経路は生命保険会社の営業職員が最も多く45.1%、次いで保険代理店が13.9%、友人知人が12.7%、家族親戚が12.6%、ファイナンシャルプランナーが5.5%となっています。
また、実際の加入経路は生命保険会社の営業職員が55.9%、次いで保険代理店が15.3%でした。前回調査の平成30年度と比べると加入経路が多様化している傾向にあります。かつての加入経路は生命保険会社の営業職員しかありませんでしたが、様々な選択肢が出てきたことは相談者にとってありがたいことではないでしょうか。
参照:(公財)生命保険文化センター「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査(速報版)」
https://www.jili.or.jp/files/research/zenkokujittai/pdf/r3/sokuhoubanR3.pdf
また、保険会社を管轄する金融庁では、「顧客本位の業務運営に関する原則*1」を制定しており、各金融機関や保険会社、保険代理店においては顧客の最善の利益の追求とサービスの提供をすることが求められています。そうした業務運営方針を掲げ順守しているところかどうかもチェックしておきましょう。
相談先それぞれのメリットがありますが、自分に合った担当者と巡り合うのが一番かもしれません。信頼できる友人・知人・ご家族などから紹介してもらうのも一つの手段ですね。
*1 参照:金融庁「顧客本位の業務運営に関する情報」
https://www.fsa.go.jp/policy/kokyakuhoni/kokyakuhoni.html