「団体保険」と「総合福祉団体定期保険」って何? 特徴やメリット・デメリットを解説!

生命保険

「団体保険」という言葉を知っていますか? 中には会社から勧められた方もいるかもしれません。

いったいどんなものなのか、調べてみましょう。

団体保険とは

特徴

団体保険とはその名の通り、会社などの団体が保険契約者となり、その団体に所属する従業員、組合員等を被保険者とする保険のことになります。

会社または各種団体の従業員、組合員の福利厚生を目的として多く使われている保険制度となります。

保険の種類も死亡保障、所得補償、医療保障など様々で被保険者がプランの中から自由に選択することができるようになっています。

また個人契約では加入できないような特別な設計(プラン)をした団体保険もあります。基本的には1年更新で加入後変更がなければ自動更新されます。一般的に保険料は年齢で変わっていきます。

注意点

会社の従業員、団体の組合員を対象としているので会社や団体退職した際に、ほとんどの場合が継続できなくなります。

一部、条件を満たせば継続(または個人契約に変更)できる団体保険もあります。しかし、健康状態が悪くなった後に退職や転職をしてしまうと、新たに個人で保険に加入しようとしても条件が付いたり、場合によっては加入できない事もあります。

団体保険のメリット

保険料割安

手ごろな保険料で大きな保障が得られるのが一番のメリットかと思います。会社や各種団体で一括して加入するため、手ごろな保険料で大きな保障が得られます。

支払った生命保険料は所得控除の対象となります。なので、一般の生命保険と同様に契約者が支払った保険料は生命保険料控除の対象となりますので、所得税、住民税の負担が軽減されます。

配当金

配当金が分配されます。(無配当特約を付加していない場合)毎年1回収支計算を行い、剰余金があれば、配当金として分配されます。このため実質保険料負担額は軽減されることになります。

また、無配当総合福祉団体定期保険と呼ばれる保険もあります。この保険は配当金を最初から無くすことにより、有配当の総合福祉団体定期保険の保障は変えずに保険料を安く設計しています。

契約しやすい

加入手続は簡単になります。正常に勤務されている方であれば、簡単な告知だけでご加入できます。

次に、ライフサイクルにあわせた保険設計が可能になります。 1年ごとに更新を行うため、ご契約者のライフサイクルにあわせて毎年契約内容の見直しを更新のタイミングで行うことができます。

また通常、生命保険を個人で加入しますと保険料の支払い方は主に口座振替かクレジットカードになります。

しかし、この団体保険の保険料は給与天引きになります。このことにより、残高不足やクレジットカードの変更等に伴う保険料が充当されない事を回避でき、保険が失効する事もなくなります。

あと、配偶者やお子様の保障もセットにできるプランも選択できるケースもありますので、割安な保険料で家族の保障もまかなう事もできます。

団体保険のデメリット

会社を退職や転職した場合

団体保険のデメリットは退職や転職後に団体保険に加入も継続もできない場合です。退職や転職した際にもしご加入している保険が団体保険のみであれば全ての保険がなくなってしまう事も考えられます。

もちろん、そういう事が心配な方は、基礎になる部分の保障は個人契約で確保して、団体保険は上乗せの保障として活用する方がいいのかと思います。

退職や転職を考えている方は、退職、転職後も継続できる団体保険かどうか、ご自分の会社の団体保険を確認しておくと良いかと思います。

また、保険料の支払方法は、給与天引きしか選べません。クレジットカードで保険料を支払ってポイントを貯めたいという方には不向きになります。通常会社、団体が提携している保険会社から保険に加入することになります。

仮に自分の入りたい保険会社があったとしても、選ぶことはできないことになります。

総合福祉団体定期保険とは

総合福祉団体定期保険は、法人や団体が行っている福利厚生制度の弔慰金・死亡退職金規程に基づく財源確保のために、法人が保険契約者となり役員や従業員などが全員加入する保険期間1年間の定期保険です。

原則、保険金額の増減がなければ自動更新で継続していきます。

役員・従業員などが死亡または所定の高度障害状態になった場合には、法人や団体が定める弔慰金・死亡退職金規定に基づいて死亡保険金または高度障害保険金を支払います。

団体定期保険との違い

団体定期保険と総合福祉団体定期保険は総合福祉という漢字が付くだけなので、同じような保険を想像されるかもしれませんが中身は少し違います。

総合福祉と名の付くタイプは法人や団体の福利厚生制度の一環になりますので、そこに属する役員や従業員は自分の意志とは関係なく規定を満たすと全員加入することになります。

団体定期保険は年一回の募集期間があり、役員や従業員は個人個人が加入するかどうかを判断します。

総合福祉団体定期保険のメリット・デメリット

団体定期保険にも共通して言えることですが、団体という名がつく通り契約者が個人ではなく法人になります。

メリットとしては、対象の被保険者も従業員全員となりますので、保険料が割引になり個人で同じ保険金額の定期保険に加入するより安くなります。

また募集の簡素化の側面から告知項目が少ないのが特徴です。

デメリットとしては契約者が勤務先の法人や所属している団体になりますので、退職や転職でその団体から転出されるとほとんどの場合、個人では保険が継続できなくなります(例外的に継続できる制度もあります)。

まとめ

毎年団体保険の案内の時期は必要な保障を考える良い機会になります。

子供が生まれたというようなライフイベントに応じて保障を増やすなど、自分で必要な保障に合わせて商品や金額を選択することができます。

ご自分の生命保険を団体保険中心に考える場合、例えばガンは特に心配で手厚い保障を確保したいなど、団体保険だけではカバーしきれない保障があれば個人契約で加入しておくと安心です。

また現在生命保険を個人契約のみで加入している方はご自分の会社の団体保険と比較して検討してみるのもいいかと思います。

会社の福利厚生は社員に与えられた特権になります。メリットも多いので最大限活用したいものです。

しかし、ご自分が加入している保険の内容が分からない場合やご加入されている団体保険が継続できるかどうかなど不明な場合もあると思いますので、そのような時はファイナンシャルプランナーに相談するのが良いのかなと思います。

ご自身の考えと現在の保障内容、今後の方向性などを総合的に考えられる良い機会になると思います。

執筆者

宮野 亮一(ファイナンシャルプランナー)

1995年大学卒業後、空調関係のメーカーに就職。このころ職業能力検定の一つとなったファイナンシャル・プランニング技能士、いわゆるファイナンシャルプランナーという仕事に興味を持ったことがきっかけで、2001年に損保系生命保険会社へ転職。主な業務は、家計相談やライフプランニング、そして個人・法人保険の販売。12年の経験を積み、より幅の広いコンサルティングアドバイスするために現職へ。個人の家計相談はもちろん、ライフプランセミナー、相続・事業承継等のコンサルティングを行う。ほけんペディアでも、幅広い分野の記事を執筆中。
■保持資格:AFP資格2019年度MDRT成績資格会員(Court of the Table会員)相続診断士
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