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医療保険とがん保険の組み合わせはあり? 併用のポイントを解説

がん保険

この記事を書いた人

坂本 雄一(ファイナンシャルプランナー)

1993年大学卒業後、熊本の地方銀行に入行。融資業務、預金業務、資産運用業務を経験。より顧客の人生設計(ライフプラン)やマネープランに銀行員として的確にアドバイスがしたく16年3か月の行員生活に終止符を打ち、外資系金融機関へ転職。その後は、よりファイナンシャルプランナーとしての活動の幅を広げるべく独立し現在に至る。熊本県下最大の住宅展示場で資金相談会も定期的に開催中。
■保持資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士住宅ローンアドバイザー
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多様化するがん治療の現状もあってか、よくご相談をいただく項目の中に、医療保険とがん保険について組み合わせて準備をした方がいいのかという問い合わせがあります。

医療保険とがん保険を組み合わせて加入したほうがいいのかについて解説して参ります。

医療保険とがん保険を組み合わせても良い?

まず、医療保険とがん保険について改めて違いを再確認したいと思います。

  • 医療保険・・・様々な病気やケガで入院、手術を受けた時などの費用負担を補う目的で加入します。
  • がん保険・・・がんと診断された時やがん治療を受けた時に、取り決めた給付金を費用負担などに充当する目的で加入します。

当然と言えば当然ですが、この違いを念頭に入れて加入を検討する必要があります。

医療保険は様々な病気やケガが対象であるのに対し、がん保険はがんのみが対象です。

保障を無駄に重複させる必要はないと思いますが、医療保険とがん保険を組み合わせることで、治療に掛かる費用が高額になることも多いがん治療について、より手厚く備えることができるようになります。

医療保険とがん保険はどちらを優先して加入すべき?

上記の様に、守備範囲を考えると医療保険を優先して考えるのが望ましいでしょう。

繰り返しますが医療保険は様々な病気やケガが保障の対象です。がん保険についてはがんのみが保障の対象となります。

ただし、誰しも「いつ」、「どんな病気になるのか」はあくまで分かりませんので、究極の正解はやはり同時に準備するに越したことはないということになります。

医療保険とがん保険を併用する際の注意点

現在販売されている医療保険の多くに、がんの保障も特約で付加できるものもありますが、がんと診断された時の一時金やがんの入院給付金・通院給付金などバリエーションには限りがあり、より手厚くがん治療に備えたい場合は、やはり医療保険とがん保険を併用して備えるのが望ましいでしょう。
その場合の注意点は以下の通りです。

保障範囲が重複する部分が出る

がん保険には様々な特徴を持った商品があり、加入の仕方次第では医療保険と保障の内容が重複する部分が生じる場合もあります。

重複するとその分がんと診断された時や、がん治療で入院や手術をされた場合多くの給付金を受給することはできますが、無駄に掛けすぎるとその分保険料も割高に支払うことになります。

様々な種類のがん保険がありますので、医療保険に追加したい保障部分の追加ができるがん保険を選択するようにしましょう。

参考までに主ながん保険の種類を記載しておきます。主契約(単体でも加入できる部分)に特徴があります。

  • 「がん入院」を主契約とするもの
  • 「がん診断給付金」を主契約とするもの
  • 「抗がん剤・放射線治療」を主契約とするもの

(注)各保険会社、保険商品のパンフレットや約款にて主契約の内容をご確認下さい。

支払う保険料の負担が大きくなる

がん保険には様々な特徴を持った商品があり、加入の仕方次第ではありますが一般的に、医療保険にがんの保障の特約(種類は限定的)を付加した場合と比べ支払う保険料負担は大きくなります。

医療保険とがん保険の併用のポイント

現在の実際のがん治療がどういう状況なのかや、費用がどの程度掛かっているのか等のことを踏まえて検討した方が無駄な保険の掛け方を回避できるでしょう。

保障される金額が大きいか

一般論になってしまいますが、準備した保障が大きすぎると支払う保険料も高額になりますし、準備した保障が小さすぎると使う時にあまり役に立たないものになってしまいますので、上記の様に現在のがん治療について費用や治療方法についてきちんと理解を深めておく必要があります。

保障内容に重複する部分がないか

上記でも述べましたが、無駄な重複は極力回避したいものです。
医療保険の内容について十分理解し、この医療保険にどの保障をどの程度がん保険でがん治療時または診断確定時に備えるのかを十分検討しましょう。

支払いの基準が厳しくないか

がん保険は一般的に保険期間の始期(第1回目の保険料の払込と告知がともに完了した日)からその日を含めて91日目より責任開始します。

責任開始期の前日までにがんと診断確定されていた場合は契約が無効となり、保険金・給付金等は支払い対象にはなりません。
この点を踏まえて加入を検討、準備する必要があります。

まとめ

以上、医療保険とがん保険について併用して加入したほうがいいのかについて見て参りましたがご理解いただけましたでしょうか。
ご承知の通り現在2人に1人はがんと診断される※1時代です。

統計からするとご夫婦の内どちらかはがんと診断される確率です。
しかも高額になるケースも多いがん治療について、どう捉えどう備えるかはかなり重要なポイントです。
ご自分でがん治療のケース事例やがん治療の現状などをお調べされるのもなかなか大変でしょうから、普段よりがん治療の現場のことやがん治療に掛かる費用の知識を深めているファイナンシャルプランナーに是非相談されてみて下さい。
無理無駄のない的確な備えの一助になるものと思います。

※1. 国立がん研究センター がん情報サービス「最新がん統計」(全国がん罹患データ(2018年))
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html

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