日本では、多くの学校や企業などで4月からが新年度とされています。
それによる環境の変化……
不調を訴え受診してみると、適応障害や季節性うつ病と診断される方は少なくありません。
うつ病でも保険に入れる?
近年、様々な原因でその数が増えている「うつ病」。
日本では100人中約6人が生涯のうちにうつ病を経験するという調査結果もあります。
参照:国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター「こころの情報サイト」
https://kokoro.ncnp.go.jp/
保険は加入者があらかじめお金を少しずつ出しあい、誰かが困った時に必要なお金を支払うという仕組みになっている為、加入者間の公平を保つ意味でもすでに病気にかかっている人は保険に入れないことが多いのです。
特にうつ病は、一般的に保険金や給付金の支払いリスクが高くなると考えられ、保険加入が難しいと言われています。
それでは、うつ病と診断された方は保険への加入をあきらめざるを得ないのでしょうか。
実は、定められた条件を満たしていれば、うつ病と診断された方でも保険に加入できるケースもあります。
加入のポイントをお伝えいたします。
①うつ病でも加入しやすい保険
引受基準緩和型保険
健康状態に関する告知項目が少なく、通常の保険よりも引受基準が緩い保険です。
この保険は、持病や健康上の理由で保険加入をあきらめていた方でも比較的入りやすい保険となります。
その為、保険料が通常より割高であったり、契約から一年間は保険金や給付金が減額になるといったデメリットがあります。
それは、引受基準を緩くしている分、保険会社が負う給付金等支払いリスクが通常より高くなっているためです。
無選択型保険
保険に加入する際には健康状態に関する告知や医師による診査が必要ですが、無選択型保険はその必要はなく健康状態にかかわらずほぼ加入できます。
ただし引受基準緩和型保険よりも保険料は割高で、加入後一定期間は保障に制限が設けられるなどのデメリットがあります。
②検討・加入する際の注意点
うつ病の方で保険加入を検討される場合、まずは通常の保険に加入することを検討してみましょう。
現在の体況(医師による証明や判断)によっては加入できる可能性があるためです。
その上で、残念ながら通常の保険への加入が困難だった場合に
・引受基準緩和型保険
・無選択型保険
こちらを検討してみるのが良いのではないでしょうか。
なぜなら、上述の通り引受基準緩和型保険や無選択型保険は、保険料が割高で保障が限定的になったりするデメリットがあるからです。
③うつ病でも保険加入が可能な病状とは?
うつ病にも様々な病状があり、どの生命保険にも入れないというわけではありません。
最近では、保険会社によっては引受基準を緩和する傾向もありますので、以前加入を断られたからといって、現在もそうとは限りません。
・完治してから5年以上が経過している場合
・5年以内でも現在健康であるという診断を医師から受けている場合
・うつ病と診断されたが症状が軽く、医師が経過観察と判断した場合
いずれの場合も医師による証明(診断書など)が必要となります。
ただし加入する際に、割り増し保険料などの特別な条件が付く可能性は高くなるかもしれません。
この記事を書いた人
橘 美穂子(ファイナンシャルプランナー)
1997年大学卒業後、外資系金融機関に新卒入社。契約管理部門から営業部門へ。女性の少ない営業現場で、女性ならではの気配りや丁寧な対応でクライアントから絶大な信頼を得て営業部門初の女性管理職となるも、よりお客様に寄り添ったコンサルティングがしたく2014年に転職し現在。マネーセミナーの講師などもつとめる。■保持資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP資格